先週、観ようとしていた四本のドラマが初回を迎えた。
期待していた通り、「この世界の片隅に」は良質の作り方で続きが楽しみだ。心配していた松本穂香がスズさんになっていたのは嬉しい誤算。このまま丁寧に肉付けをしていけばこの夏一番のドラマになりそう。
不満といっては贅沢だが、あまりにも原作と映画版に忠実なため新鮮な感動は無い。映画ではおばあちゃんの家で見た少女は座敷童子のままぼやかしていたが、ドラマ版ではリンと固有名詞が出てきた。遊女のリンと繋がるのだろう。人攫いも本当のことなのか、子供にありがちな勘違いだったのか映画版は明確にしていないが、ドラマは誰にでも分かるように明確な設定になっている。この辺は不特定多数が視聴するドラマに合わせた演出であろうから気にはならない。
新婚初夜のシーンはアニメとか漫画では表現できない生生しさが描写されており、キュンとする良いシーンになっていた。勘違いしがちだけど、あの時代にだってドキドキする胸の高まりはあったのだ。むしろ今より純粋に焦がれる想いは強かったに違いない。
現代パートが今後どのように絡んでいくのか分からないが、主人公スズさんの老後なんかは見せないで欲しいと思う。
あの段々畑は良くぞ見つけてきました!と褒めたい。
アニメ映画で観た風景と一緒だ。あの畑とスズさんは切り離せない。竃とか縁側や防空壕の入り口なんかにもスズさんの気配は濃厚だけど、段々畑に違和感を感じさせたらこのドラマは失敗していた。
2回目のハイライト、まだ遠慮しながらのラブシーンで睦み会う夫婦が美しい。高台の畑から見える呉港に浮かぶ軍艦も、殺戮の兵器ではあるけど二人が寄り添う目線には日本が建造した世界一の船でしかない。世代が同じ隣人との気の置けない会話もこの畑で行われ、嫁ぎ先の北條家で息苦しい思いをしているスズさんの清涼剤でもある。
尾野真千子の小姑っぷりはアッパレだ。実家に帰ってきて実母に甘えるところなんか、いや~な小姑感で満ちている。スズさんにちくちく嫌味を言ってるだけじゃないところがそれらしい。ただの嫌味な小姑になっていないのが、好きあって一緒になった人と死に別れ長男は婚家に取られる苦しみをさりげなく滲みださせているからだろう。上手い女優だ。
スズさんを本気で応援したくなるドラマになっている。
それにしても現代パート本当に必要なのか?ほんの少しだけさわりが触れられたけど、本編を壊さなければいいけど。
拾い物としては「チア☆ダン」。王道のスポーツ少女ストーリーを衒いなくやるところに好感が持てる。土屋太鳳の熱苦しさも適度なので、応援しやすい。初回だけだろうけど、広瀬すずがOB役で登場したのもサプライズ。本当に王道の作り方。
主要キャストの8人が揃った。まだ二年生だから、最後の頂点までは色々なドラマが用意できそう。「ウォーターボーイ」は所詮同好会のお遊びだけど、こっちのチアダンスが目指しているのは頂点(本家本元の全米制覇)だから、仲間と過ごしたひと夏の想い出では終われないはず。ここを手を抜くことなく、メインに描ければ感動的な良作になると思う。
8人の女の子(+協力的なクラスメイト、下級生の子達、元チアリーダー部の面々)が躍動する姿が楽しみだし、キャラクターを掘り下げればドラマの奥行きも出ることだろう。2時間の映画ではできない技なので、上手く練ってほしい。脇を固める大人たちも上手く配置されており、安定感がある。金曜日の夜が楽しみだ。
「義母と娘のブルース」は綾瀬はるかをいかに堪能するかだが、チョット偏屈なキャリアウーマンを大真面目に演っているので今後に期待したい。娘目線のナレーションが思わせぶりで気になるところ。
2回目で物語が動き出した。
義母試験に合格した綾瀬はるかが同居することになり、娘との溝を埋めようとするが、ママの残像は大きく強い。下手な懐柔策やお涙頂戴演出だと辟易するところだが、森下佳子脚本は一直線に綾瀬はるかをぶつけてきた。営業の最終テクニック(技術ではないか?)の土下座を禁止されたが、娘(義理ではあるが)が可愛いく愛しいのだということに気付き、娘のためなら会社を辞めてもいいと行動に移す。
綾瀬はるかの無機質なキャリアウーマンが、一生懸命で偽りが無い愛情を注ごうとしているのが上手く演出されていたし、綾瀬はるかも上手く演じている。エンディング近くで夫役の竹野内豊が倒れる展開で、娘のナレーションが過去形だったことも理解できた。血のつながりが無い家族の物語になるのか、注目して観てみよう。
石原さとみの「高嶺の花」はややガッカリ。いつもの石原さとみを見ているようで、意外性がない。もっと深窓の令嬢然と描いて欲しかった。あんまり高嶺感が感じられないのは失敗だろう。
次、3回目次第でギブアップしようと考えている。
ヒロインが可愛くない。石原さとみは魅力的だけど、このドラマのヒロインじゃないな。「校閲ガール」のようなぶっ飛んだ役柄なら石原さとみらしいべらんめぇ口調の気風があっているのだけど、高嶺の花の人なんでしょ?妹役の芳根京子ほどお嬢様然としなくてもしゃべり方とかに気品は持たせてほしかった。とりあえず、もう一話付き合ってから判断しよう。
「透明なゆりかご」
「チア☆ダン」と被るので当初予定に入れてなかったのですが、録画して観ました。
清原果耶という未知数の素材をNHKがどのように料理するのか興味がある。初回は人物紹介と産婦人科病院の現状紹介に重きが置かれた。「コウノドリ」でかなり知らされているから、驚きは無い。そうなると、見習い看護師の清原果耶が成長する姿をじっくり見る事に集中してみよう。
永野芽郁は相変わらず可愛いけど、結婚相手に違和感があり少し気乗りがしない。
半同居する三人のおばさんも味が濃過ぎるのか馴染めないし、映画監督って・・・どうよ。
早く岐阜に帰った方が良いと思う。
期待していた通り、「この世界の片隅に」は良質の作り方で続きが楽しみだ。心配していた松本穂香がスズさんになっていたのは嬉しい誤算。このまま丁寧に肉付けをしていけばこの夏一番のドラマになりそう。
不満といっては贅沢だが、あまりにも原作と映画版に忠実なため新鮮な感動は無い。映画ではおばあちゃんの家で見た少女は座敷童子のままぼやかしていたが、ドラマ版ではリンと固有名詞が出てきた。遊女のリンと繋がるのだろう。人攫いも本当のことなのか、子供にありがちな勘違いだったのか映画版は明確にしていないが、ドラマは誰にでも分かるように明確な設定になっている。この辺は不特定多数が視聴するドラマに合わせた演出であろうから気にはならない。
新婚初夜のシーンはアニメとか漫画では表現できない生生しさが描写されており、キュンとする良いシーンになっていた。勘違いしがちだけど、あの時代にだってドキドキする胸の高まりはあったのだ。むしろ今より純粋に焦がれる想いは強かったに違いない。
現代パートが今後どのように絡んでいくのか分からないが、主人公スズさんの老後なんかは見せないで欲しいと思う。
あの段々畑は良くぞ見つけてきました!と褒めたい。
アニメ映画で観た風景と一緒だ。あの畑とスズさんは切り離せない。竃とか縁側や防空壕の入り口なんかにもスズさんの気配は濃厚だけど、段々畑に違和感を感じさせたらこのドラマは失敗していた。
2回目のハイライト、まだ遠慮しながらのラブシーンで睦み会う夫婦が美しい。高台の畑から見える呉港に浮かぶ軍艦も、殺戮の兵器ではあるけど二人が寄り添う目線には日本が建造した世界一の船でしかない。世代が同じ隣人との気の置けない会話もこの畑で行われ、嫁ぎ先の北條家で息苦しい思いをしているスズさんの清涼剤でもある。
尾野真千子の小姑っぷりはアッパレだ。実家に帰ってきて実母に甘えるところなんか、いや~な小姑感で満ちている。スズさんにちくちく嫌味を言ってるだけじゃないところがそれらしい。ただの嫌味な小姑になっていないのが、好きあって一緒になった人と死に別れ長男は婚家に取られる苦しみをさりげなく滲みださせているからだろう。上手い女優だ。
スズさんを本気で応援したくなるドラマになっている。
それにしても現代パート本当に必要なのか?ほんの少しだけさわりが触れられたけど、本編を壊さなければいいけど。
拾い物としては「チア☆ダン」。王道のスポーツ少女ストーリーを衒いなくやるところに好感が持てる。土屋太鳳の熱苦しさも適度なので、応援しやすい。初回だけだろうけど、広瀬すずがOB役で登場したのもサプライズ。本当に王道の作り方。
主要キャストの8人が揃った。まだ二年生だから、最後の頂点までは色々なドラマが用意できそう。「ウォーターボーイ」は所詮同好会のお遊びだけど、こっちのチアダンスが目指しているのは頂点(本家本元の全米制覇)だから、仲間と過ごしたひと夏の想い出では終われないはず。ここを手を抜くことなく、メインに描ければ感動的な良作になると思う。
8人の女の子(+協力的なクラスメイト、下級生の子達、元チアリーダー部の面々)が躍動する姿が楽しみだし、キャラクターを掘り下げればドラマの奥行きも出ることだろう。2時間の映画ではできない技なので、上手く練ってほしい。脇を固める大人たちも上手く配置されており、安定感がある。金曜日の夜が楽しみだ。
「義母と娘のブルース」は綾瀬はるかをいかに堪能するかだが、チョット偏屈なキャリアウーマンを大真面目に演っているので今後に期待したい。娘目線のナレーションが思わせぶりで気になるところ。
2回目で物語が動き出した。
義母試験に合格した綾瀬はるかが同居することになり、娘との溝を埋めようとするが、ママの残像は大きく強い。下手な懐柔策やお涙頂戴演出だと辟易するところだが、森下佳子脚本は一直線に綾瀬はるかをぶつけてきた。営業の最終テクニック(技術ではないか?)の土下座を禁止されたが、娘(義理ではあるが)が可愛いく愛しいのだということに気付き、娘のためなら会社を辞めてもいいと行動に移す。
綾瀬はるかの無機質なキャリアウーマンが、一生懸命で偽りが無い愛情を注ごうとしているのが上手く演出されていたし、綾瀬はるかも上手く演じている。エンディング近くで夫役の竹野内豊が倒れる展開で、娘のナレーションが過去形だったことも理解できた。血のつながりが無い家族の物語になるのか、注目して観てみよう。
石原さとみの「高嶺の花」はややガッカリ。いつもの石原さとみを見ているようで、意外性がない。もっと深窓の令嬢然と描いて欲しかった。あんまり高嶺感が感じられないのは失敗だろう。
次、3回目次第でギブアップしようと考えている。
ヒロインが可愛くない。石原さとみは魅力的だけど、このドラマのヒロインじゃないな。「校閲ガール」のようなぶっ飛んだ役柄なら石原さとみらしいべらんめぇ口調の気風があっているのだけど、高嶺の花の人なんでしょ?妹役の芳根京子ほどお嬢様然としなくてもしゃべり方とかに気品は持たせてほしかった。とりあえず、もう一話付き合ってから判断しよう。
「透明なゆりかご」
「チア☆ダン」と被るので当初予定に入れてなかったのですが、録画して観ました。
清原果耶という未知数の素材をNHKがどのように料理するのか興味がある。初回は人物紹介と産婦人科病院の現状紹介に重きが置かれた。「コウノドリ」でかなり知らされているから、驚きは無い。そうなると、見習い看護師の清原果耶が成長する姿をじっくり見る事に集中してみよう。
永野芽郁は相変わらず可愛いけど、結婚相手に違和感があり少し気乗りがしない。
半同居する三人のおばさんも味が濃過ぎるのか馴染めないし、映画監督って・・・どうよ。
早く岐阜に帰った方が良いと思う。