お正月、毎年恒例の新春ドラマスペシャルで唯一観たのは「教場」。「義母ムス」は録画し忘れ、ネットで見直すほどでもないかと思いそれきり。大体いつも付け焼刃のヒットドラマ続編まがいか、大味なオールスターキャスト物のような気がしていてまともに観た記憶がない。そう言えばずいぶん昔になるけど、テレビ東京でやってた12時間歴史ドラマも無くなったな。
「教場」について。
2夜連続、放送時間5時間の大作だ。面白そうな題材だったから原作を読んでいた。姪が警察官を目指し警察学校に入校したけど、精神的にきつかったみたいでリタイアしているのも引き金ではあった。ただ、はっきり言って原作はつまらなかった。文章のリズムが自分に合わないのか、読み淀んでしまう感じが続くのと、主人公に思い入れができない暗いタッチが不快でもあった。
そんな原作をどんなふうにドラマ化するのか、それも原作では思い入れできなかった暗い雰囲気の主人公を木村拓哉が演じるというし。
警察学校の教官をキムタク、生徒に工藤阿須加、大島優子、川口春奈らが演じる。
脚本は「踊る大捜査線」シリーズの君塚良一
演出もフジテレビドラマの黄金期を支えた中江功
とても良く出来ていた。結構時間をかけてしっかり作ったんだろうと思う。主要キャストに話を振り分けながらも、キムタクを浮き上がらせる脚本と演出は優れていた。もう少しゼイ肉を切り落としてシャープにすれば一本の映画としても十分鑑賞できると感じた。せっかくドラマはちゃんと作っているのに、放送の仕方は酷かった。お正月ゴールデンタイムなのは承知で言うが、後編の中盤以降CMとの間が7〜8分しかないぶつ切りの放送はドラマの高揚感を無視し過ぎだ。こういうところがフジテレビのダメなところだ。
キムタクもそろそろカッコイイお兄さんじゃなく、今回のようなダークイメージの役が似合う年になったんだな。映画「マスカレードホテル」の時にも感じたけど、俳優にしては背が低すぎるのと、鍛えてはいるんだろうけど貧弱な体形がネックだな。共演者を選ばないとみすぼらしく映ってしまう。今回の役みたいに老年のアンチヒーローなら特段問題ないけどね。
もう一つ心配になったのが、富田望生のスリム化だ。こんなにも売れちゃう女優になるとは本人も思っていなかっただろうから、キムタクとは逆に忙しさのあまりポッチャリ体形を維持するのが難しいのかもしれない。