題名の通り養蜂家のお話です。
養蜂とは農業に属していて、その中でも蜜蜂は畜産に分類されます。
蜜蜂は家畜として扱われます。
前に、農業技術体系の畜産編を読んだとき、ほんの少しだけ蜜蜂について書かれていました。
その中に、養蜂家の飼育のやり方が書いてあり、この小説とそっくりでした。
吉村昭は、専門書を読んだと書いてありましたが、技術体系まで読んでいたのですね。すごいです。
小説の内容は、鹿児島の養蜂家一家が、花をもとめて北海道まで旅する1年間の姿が描かれています。
蜜蜂の巣箱と、家族という人間の巣箱の対比によって、家族のあり方が描かれているというとイメージしやすいでしょうか。
作者の文体は淡々としていますが、話も淡々と進んでいき、小説らしい事件もいくつか起こるのですがそれでも、やっぱり淡々としている印象がありました。
蜜蜂や養蜂家の生活に関心がない人が読むと退屈してしまいそうです。