宮本輝の川三部作の一つ。
『泥の川』と『蛍川』は、1冊に収められているので、文庫1冊分のボリュームは読みごたえがありました。
人は川の流域に暮らしている生き物なのだなと改めて思いました。
大阪の繁華街を流れる道頓堀川は町の灯を映しながらゆっくりと流れていきます。
その流れは、緩やかな時の経過とともに、人たちの生活が変わっていくことを象徴しているようでした。
宮本輝の登場人物は、皆、背負っているものがあるので深く感じます。
みんな、悩みながら変わっていく姿が、ある種の生命力を感じられるところが好きです。