吉村昭の『桜田門外ノ変』を読んだ勢いで、その4年後に起こった天狗党の乱を描いた本書を手に取りました。
歴史の教科書に載っていた記憶がないのですが、かなり大きな騒ぎだったことが解ります。
ただ、歴史を動かせたかという観点から見ると、世間をお騒がせしただけと言えるかもしれません。
尊皇攘夷の実行を訴えるために結成された天狗党は、分裂、迷走しながら、真の目的に目覚め、京へ向けて進撃を始めます。
天狗勢の戦闘力、作戦能力は、日本でも最強クラスで、行く手を阻む幕府追討軍や各藩兵を蹴散らし進んで行きます。
小藩では、天狗勢と取引をしながら戦闘を避けるようになっていきます。
イスラム国(IS)などがどこから資金が来ているのかピンときませんでしたが、この本を読むと、非政府戦闘集団の資金集めの実態が実感として認識できました。