むぎわら日記

日記兼用ブログです。
野山や街かどで見つけたもの、読書記録、模型のことなどを載せております。

『夜明けの雷鳴』吉村昭(文春文庫)

2021年05月01日 | 読書
幕末、徳川昭武の付添いで、渋沢栄一らとともにパリ万博へ向かった高松凌雲の物語です。
ヨーロッパ滞在中に医学の技術と精神を学んだ凌雲は、鳥羽伏見の戦いで幕府軍が敗れたのを知り帰国します。
その後、幕府の軍艦に乗り箱館へ向かいます。箱館戦争では、敵味方の区別無く手当を慣行し、病院が幕府軍に占領されたのち、和睦工作に協力します。
その後、とらわれの身となり釈放されると、医師会に働きかけ、貧しい者も医療を受けられる体制づくりに取りかかりました。
幕末の姿として、幕府側の優れた人物を高く登庸し、近代日本の建国に一丸となって取り組んだ姿勢に感動しました。
吉村昭の別作品『幕府軍艦回転の顛末』や『桜田門外の変』『長英逃亡』などを読んでいたので、時代背景をよく理解できました。

コメント
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