表題にある『喜ばれる人になりなさい』のような宗教家が言う言葉のように美しいのだけど、胡散臭い美辞麗句が並んでいる本。
売れるビジネス本はこうすれば書けるんだよと言ったところです。
一つだけ、気に入った言葉は、
「たしかに効率的に料理を出すことももちろん大切なことだよ。でもね、非効率だからこそ感動するんじゃない」
でした。
たこ焼き屋で、店の営業活動を一瞬止めて、一人の客だけにバースデーを祝う時間を設ける演出を行い繁盛させたときの言葉です。
効率ばかり追い求めていく中で、少し歩みを止めて、ゆったりした時間を過ごすと、そこには安らぎやゆとりが生まれ、計り知れないひらめきの源泉になることは確かです。
この本には、他の宗教やビジネス本に書かれているようなエピソードがてんこ盛りですので、中には気に入る言葉を発見できるかもしれません。
帯に「編集者が5回」とか、出版社からのコメントにいろいろあるように、著者と出版側の自己満足が如実に出ていますので、そこに書いていることは期待しないで読んだ方がよいでしょう。