副題に「絶滅戦争の惨禍 」とあるように、第二次世界大戦の中で、もっとも激烈だったのがドイツとソ連の戦争です。
通常戦争(戦時国際法を守った戦争)と収奪戦争、世界観戦争(絶滅戦争)の3種類に分けて考えることが出来るといいます。
独ソ戦は、通常戦争を行おうとした部分と、収奪戦争を余儀なくされた面、そしてソ連を植民地として支配しようとするヒトラーの世界観から来る世界戦争の3つの種類の戦争が重なりあい、戦争後半には、世界観戦争が収奪戦争を包み込み、収奪戦争が通常戦争を包み込んだ結果、絶対戦争に発展してしまいました。
その結果、ソ連では2700万人の死者を出した未曾有の戦争となってしまいました。
本書では、冷戦終結後に公開されたソ連側の資料も使いながら、冷戦時に常識とされてきた知識を修正して、より克明な独ソ戦の全貌が語られています。
そこには、死んだヒトラーに罪をかぶせた国防軍や当時のドイツ国民の利害なども紹介されている他、西側諸国や東側諸国が利用しやすいように改変されていた歴史の事実もいくつかありました。
戦争は悲惨だという人もいますが、戦争以上の戦争、つまり、我々が想像している戦争以上に凄惨な収奪殺戮戦争があった事実を知っておくことも大切だと思いました。
本日の体重78.7kg(目標差+3.7 前日差-0.8)