いきなり、『ドグラ・マグラ』を読んで精神に異常をきたすのも困るので、『少女地獄』を読んでみました。
『少女地獄』は、3編の独立した短編からなっています。
「何でもない」
自分を演じるためにウソをつきまくる女の話です。
現在で言うところの演技性パーソナリティー障害。
魅力ある少女として書かれており、だまされた方も、憎めないくらい面白く自己を演出していく過程が奇妙です。
最後は、ウソがばれて演じきれなくなりこの世を去ってしまいます。
「殺人リレー」
飽きると女を殺してしまう男を殺そうと企む女の話。
悪のバス運転手VSバスガイドの構図は面白い。
「火星の女」
焼死体で見つかった少女が行なった復讐劇の顛末。
地球人離れした運動能力が火星人級なのでした。
どれも、すごい女性が活躍して滅んでいくお話しです。
癖が強いですが、個性的な短編集になっていました。