むぎわら日記

日記兼用ブログです。
野山や街かどで見つけたもの、読書記録、模型のことなどを載せております。

『オペラ座の怪人』ガストン・ルルー(光文社古典新訳文庫)

2022年08月15日 | 読書
海外古典ホラーの名作。
完璧な舞台設定。完璧なストーリー。魅力的なキャラクター。
中世の荘厳な巨大建築物を作るような緻密さとダイナミックスさを兼ね備えた小説です。
舞台がパリのオペラ座、現実と虚構が混ざり合い、奈落の底には、湖まであるのです。これだけで、もう怖さ怪しさ満点です。
そして怪人(ファントム)の謎。
声だけ聞こえる怪人、その姿を見た者は、骸骨だったとか、火の玉だったとか姿も定まりません。
支配人は、怪人に給料を払わされていたり……正体もわからないのに……怪人専用のボックスもあったりします。
謎だらけの展開です。
才能豊かな歌姫と青年子爵の恋に横恋慕する怪人の正体は?
歌姫を誘拐した怪人。
怪人を追うなぞのペルシャ人の出現と、歌姫を救いたい子爵。
怪人がオペラ座の地下に張り巡らす残酷な罠。
もう、読者は奇々怪々な遊園地に誘い込まれてしまいます。
映画化、舞台化もたくさんされていますが、小説を読まないなんて半分も楽しめていないと思います。

コメント
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