日本の昔の旧家の暮らしを描いているようで、谷崎潤一郎の他の作品(『春琴抄』『卍』など)と比べ、題材が刺激的ではなく退屈しながら読んでいました。
そのうち、あることに気が付きました。
この小説は、恋愛小説に対するお見合い小説なんじゃない?
その視点で読み始めたら、おもしろくて最後まで読み切れました。
日本では、古いタイプのお見合い文化は廃れたように感じますが、昔の人は、こんなにもいろいろ考えてお見合いをしていたのだなと感心しました。
昨今、若者の結婚離れが指摘されていますが、このくらい周りが結婚に対して真剣になれば解消しそうな感じがします。
自由も良いですが、自由になればなるほど、個人の責任が重くなっていって、うごけなくなる若者も多くなっていくのでしょう。
現代に生きる人が読めば、いろいろ考えさせられる内容だと思いました。