個人的にインドへの投資を検討するも躊躇してしまうことが、20年以上つづいています。人口の伸びによる経済成長、IT技術の発展(アメリカが夜の時、インドは昼という地球規模の位置の良さ)、英語が母国語など、魅力的な投資先ではあるものの、カースト制度による差別、治安の悪さ、衛生インフラの不備など不安が大きいと言うのが原因でした。
この自分の漠然としたイメージが、当たっているのかどうか、この本を見つけて、読んでみることにしました。
結論から言えば、だいたいイメージ通りの国であるということがハッキリ解りました。
それに加え、インドがこれから取り行く国際社会への姿勢も、浮き彫りにされていました。どちら側にも付かない中立ではなく、どちら側にもつく多同盟のインドの姿が見えてきます。
北側はユーラシア大陸の大陸国家であり、南側はインド洋への海洋国家の顔を持っており大陸国家として、中国、ロシアと対立しながらも協力し、海洋国家としてアメリカ・日本・オーストラリアとも協力するということになっています。
自由主義だと言いながら、ネット・報道規制が強まることもあり、州により、違う国なのかくらい別の顔を持っているため、カースト制度も一掃できそうにありません。
一方向からの情報に傾くことなく、インドの価値観を認めながら、つきあっていく方向性で良いのだと思いました。