迷宮入りした一家惨殺事件の唯一の生き残りの女性(当時12歳)と知り合った主人公が、その真相を聞き出すことになります。
密室で両親と兄を殺され自分は睡眠薬で眠っていた事件の成り行きは説かれますが、主人公は語られていない部分や彼女が違った認識で語っている部分を補足して真相を想像することになります。
人には誰でも、幼い頃には心の中にもう一人の人間がいて、自分とは違った願望を持っていたりするものです。
それは潜在的には自分自身の負の願望なのでしょうが、自分の願望だと認めたくないので、もう一人の内部の人間の願望だと思うのでしょう。
その願望が突然の外からの侵入者によって実行されてしまったらどうなってしまうのでしょう。
ミステリー娯楽小説の題材を、芥川賞作家が純文学で書くとこうなります。
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