太平洋戦争や日露戦争などのことは、いろいろな本で読んでいるのですが、日清戦争については、高校の歴史の時間に勉強したきりでした。なんとなく、近代的な日本軍が、旧式の清を破り、下関条約・三国干渉の結果、台湾をゲットしたくらいのイメージでした。
しかし、戦争の実態は、いつ始まって、いつ終わったか、どこと戦ったのかも朧げな、複雑な様相を呈していたようです。
軍夫の動員は、軍人と同じくらいの規模となったことにより、その犠牲も多くありました。
清の装備は、ドイツの近代的な銃器で武装しており、大砲も鋼鉄製のものでしたが、日本軍は村田銃と青銅砲が主力で、清の装備より近代的だとはいえなかったようです。
また、補給体制が整っておらず、日本側の死因のうち、戦死・戦傷死10%、病死88%で、銃弾・砲弾より、脚気・感染症・凍傷の方が多かったのです。
日本の勝因としてあげられるのが、中央集権体制が確立されており統率して動くことができ、清軍はいろいろな軍がバラバラに動いていて戦意が低く統率がとれていなかったといわれています。しかし、日本軍でも中央が現地を完全にコントロールできず、たびたび現地軍が暴走しているので、戦意が高すぎたとも言えるでしょう。
また、教科書では、下関条約・三国干渉で、日清戦争が終結したことになっていますが、割譲された台湾に台湾民主国が設立され、統治のために戦うことになりました。この台湾との戦争は、植民地戦争の様相となり、日清戦争の約半数の犠牲は台湾でうけたものになります。11月には台湾統治宣言を出し、一応、決着はつきますが、山間部に籠った抗日組織との戦闘は、その後10年に渡りつづくことになります。
朝鮮では、日本軍による閔妃殺人事件が起こり、それが切っ掛けに抗日勢力が力をつけクーデターで親露政権が誕生し、三国干渉で失った遼東半島もロシアに租借され、多くの犠牲を払った割にロシアの進出を許してしまいました。
教科書に載っていた、「魚(朝鮮)を釣り上げようとする日本と中国、横どりをたくらむロシア(ジョルジュ・ビゴーの風刺漫画)」の意味が、今更ながらよく解りました。
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