日本の小説の代表格と言えば、夏目漱石の「坊ちゃん」なのですが、今まで読む機会に恵まれませんでした。
もう半世紀以上生きてしまって、読まずに死ぬのは日本人としてどうかなと思っていたのですが、やっと読みました。
学校の国語で、「勧善懲悪」の話の代表格として習った覚えがあり、赤シャツ、山嵐、マドンナなど登場人物の名前くらいは知っていたので、熱血教師の坊ちゃんが、生徒の指示を得て、悪徳の赤シャツをやっつける痛快熱血教師の話だと思っていたのですが、全然違いました
坊ちゃんの性格が、わがままで自己陶酔型で直情的生徒のことなど何も考えていないやさしさなんて微塵もなく最後は、暴力で赤シャツを殴り倒し、わずか数週間で東京に帰っちゃう、まあ、酷い話なのです
こんなヤツがなぜ日本国民から愛されるのでしょう……なぞです
わたしのような変な先入観をお持ちの方は、読んでみることをお奨めします。
現代でも色あせない真実が書いてあることは確かではありますが、坊ちゃん観が変わりますよ
たぶん、若い頃の読むとそのような感想を持つ傾向があるようです。
しかし、赤シャツか野だが、打ち所が悪くて死んでいたとしたら、坊ちゃんは被害妄想の殺人者になっていました。
ブックショートのネタになりそうだw
私の場合、坊ちゃんが、まっすぐでバカ正直な生き方を貫きと押すところにカタルシスを感じました。軽妙な文体も心地よかったです。