パンプの人工呼吸器がはずされ自力呼吸が弱々しくも始まった。経過は、いまのところ順調みたい。パンプの目が開いた。はじめは、天国にでも来たような感じだった。夢見心地で彷徨っていた。でも、家族は、認識できるようだ。「ここは、どこ?あの世?荒、あんた、先にきてたの。お世話になります」なんて言葉が聞こえてきそう。人を勝手に殺すのはいつものことだから。でも、時間を経るにつれて目に力が戻ってきて、僕の顔を見ては、3度うなづいた。「生還したぞ!」と言ってるようでもあり「ありがとう」と言ってるようでもあった。ただ、安心したと言うニュアンスは伝わった。表情にゆとりが出ている。パンプの体力ってすごいな。車へも乗らず、どこに行くのも歩いていったおかげでしょうね。単に、乗り物酔いがひどかったと言う理由なんだけど。それが、命を救ったのかもしれない。弱点と強みは背中合わせ鏡でどちらが、いつ逆転するか分からないんだね。だったら、長所も短所、短所も長所か、ターシャのいう好きなように生きてねってひょっとしたら、思い悩まず生きなさいってことだったのかな?パンプに教えられたような気がする。
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