フェンネル氏の奇妙な生活

気付いた世界の中の小さな出来事と水彩画と時たま油絵と思いついたことを爺さんが一人語りいたします。

私の耳は

2009-01-25 19:16:59 | Weblog
mon oreille est un coquillage
Qui aime le bruit de la mer
Jean Cocteau
私の耳は,貝の殻
海の響きを懐かしむ
            堀口大学 訳
青いシャンパンが,クリスタルガラスのグラスからあふれている。きれいな母親が他愛もないおしゃべりと言う編物を編んでいる・

パンプが、長いことはずされていた入れ歯を口の租借訓練のために再び入れてもらって
看護師さんに一言。
「綺麗でしょう。(わたし?)」
戻ってきた,自信満々のパンプ。そして、どこか滑稽でどこか懐かしい。その話を聞いて
ふと思ったのが,上の詩だ。
その夜、病室にショータンが来て、パンプの顔を見ながら「おばぁちゃん、起きてる?」と問い掛けると「どうしたぞね どこかでこけたかね そんなにイガンで まぁイヤ」と顔を見ていった。これには,大爆笑。ショータンは,少し顎がしゃくれているから,当たらずとも遠からじでさらに笑い。少しづつだが完全回復だな。遂に,オシッコの管もはずされ今日から、緊急病室から一般個室へと移った。ゴエンセイ肺炎でこの年で生還できる確立は、非常に少ないとお医者さんが言ってたけど、そんな常識は,通用しないパンプであった。
コメント (3)
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