フェンネル氏の奇妙な生活

気付いた世界の中の小さな出来事と水彩画と時たま油絵と思いついたことを爺さんが一人語りいたします。

破有巣

2014-03-22 08:44:56 | Weblog
ルカは今日葬送される。一昨日病院で死んで昨日がお通夜。とうとう自分が建てた家に帰ることはなかった。いろいろな事情があるだろうけど自分の巣に戻れないなんて。そういえば動物も巣を出て死んでいくからそのほうが自然なのかも知れないが家について考えさせられた。「人の振り見てわが振り直せ」でもないが家ってナンだろうね。死んでも帰れない家のために固定資産税を払い続けていつか帰ることを夢見て病院のベッドに寝てそこで生涯が終わる。自分の意思に関係なく第三者の都合でまるで流通製品のようにベルトコンベアーにのって昇天。滑稽といえば滑稽でコレでいいのかもしれないが思うところは残るよね。
「あふことのふたたびならぬきみなれば いまより末はだれにとはまじ」
昔の人の喪失感とか寂寥感とか僕らは感じることがこれからできるのだろうか。人を恋売る気持ちってこれから持つことが出来るだろうか。
「帰りたかっただろうな」というのは僕の感傷だろうけどルカの昇天にふとこんなことを思った。
コメント
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