
断捨離は「不要なものを断ち、捨て、執着から離れることを目指す整理法」として2、3年前からの流行語。「簡単に捨てるものなら初めから求めるな」と言うのはもったいない世代の婦人。戦争前に生まれ食料も衣服も学用品も充分で無い世代の一人としては後者の考えに近い。
現役時代には3S、後に5Sに膨らんだが、職場環境の改善を目的にした活動があった。整理・整頓・清掃・清潔・躾をローマ字書きした際の頭文字「S]を用いたもの。各々の説明は省くとして、そこに共通していたのは、こうした活動が業務の効率化や職場の安全意識向上、モラルの改善などからコストダウンに連なった。そこには連帯の和がいつの間にか醸しだされる。
断捨離は、自己中心にしてその物が必要か否か判断し、「まだ使える」とか「もったいない」という考えはしない、と聞かされた。「?」という顔をしたら「捨てる前にあげる、や、リサイクルを考える」と追加説明があり、少しほっとした。その「断捨離」は商標登録されているとか、勝手な解釈は慎もう。
供用の場で一つの物を利用者が使いあうところでは3Sが似合う。陶芸教室の用具は不特定多数の人が創作に使う。次に使う人のために使用後は汚れを洗い落とし、次の人がすぐに使えるよう並べておく。次の人もきっといい気持ちで創作できるだろう。いつもこう心がけたい。