![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/00/db/f06e68ccb6ead678354990a1c5cc7bd3.jpg)
これまでにも楽しみに待っていた行事や催しは沢山あった。だが、最近これほど待ったことはなかったと思う。これとは「2012年 第12回子ども歌舞伎公演」。出演は岩国小学校の2年から6年までの児童12人で演目は「勧進帳」。
「勧進帳」は歌舞伎を代表する名作である。話を知っているかと問われると、細切れに知ってるだけ。源義経とそれに従った弁慶らの話である。山伏姿の一行が関所で架空の勧進帳を読み上げる。姿を変えた義経が疑われる。弁慶は義経を繰り返し叩く。
退職前、在京の先輩から「歌舞伎には日本人のよい伝統が織込まれている。1度は見ておくとよい」と教わったが見たことはない。そんな歌舞伎、子どもたちが夏休み返上で練習していることを新聞で知り、期待し公演を待っていた。
長い昔言葉のセリフ、独特の所作、これを演じきる児童らの姿、それは舞台に目を引きつけさせるものだった。全てを注視させられた。弁慶と関所役人の富樫左衛門の真に迫った掛け合い、巻物を勧進帳と称して読み上げる弁慶からは子どもの姿が消えその迫力ある演技は「見事」につきる。最後に12人が勢揃いし、役と学年と名前の口上、続けての一言で「来年もやりたい」と2年生の児童。歌舞伎公演の成果をこの一言で知ることが出来た。
万来の拍手が贈られたことはいうまでもない。来年の公演を楽しみに待ちたい。