
「時間があれば見て下さい」と今年も知人からパステル展の案内状が届いた。会場は図書館の展示室、静かな環境で観賞できる。40点あまりの作品が並ぶ。展示の高さが目線と同じなので楽な姿勢で観賞できた。全作品に付けられた作者の一筆コメントから作品の背景が思い浮かび、作品ごとに足を止めさせた。
絵画といえば巨匠ピカソの作品が215億円という、美術品で史上最高の落札額は投資効果を見込んだ入札だという。これからどういう道を歩むのかピカソは知る由もない。作品は114×146センチでピカソの署名入りで「アルジェの女たち」の連作のひとつという。女性が描かれているのはわかるが、その内容は理解できない。
展示作品は風景、生物、人物など日常目にするものばかりで親しめる。そして、ピカソの絵と違いはありのままに描かれているので、美術素人にも良くわかる。この野菜は美味そう、懐かしい藁ぶき屋根がまだ残っている、描かれたこの場所は何度か訪れたなどそれぞれの作品と会話できるのがいい。抽象画ならそういう訳にはいかない。
パステルを使用した絵画のことを「パステル画」と呼ぶそうだ。パステルは乾燥した顔料を粉末状にして粘着剤で固めた画材で、カッターナイフ等で削って再び粉末状にしてスポンジ等で塗ったり、直接手で持って塗ったりして作品を創るとある。油絵や水彩画と違った色彩の輝きがあるように感じた。ちょっと気を引かれそうなパステル展の感想でした。