子どものころは「汽車に乗っていく」といっても、出かけた記憶はあまりない。汽車とは、勢いよく黒い煙吐き蒸気を動力にして動く鉄道車両、蒸気機関車が何両もの黒い客車を連結して走る風景は今も思いだせる。そんな列車に乗って小学校の修学旅行では別府から学校近くの西岩国駅まで貸し切りだった。車中の様子や車窓の風景などはなにも残っていないのが残念だ。
2本の鉄路の上を走ることに変わりないが、汽車に比べ電車はスマートに見えるし、スピード感もある。電気を動力源とするか石炭を炊いて発生させる蒸気を使うかによる違いだろう。 どちらも不特定の人や物を運ぶことは同じだが、汽車、蒸気機関車は観光やイベントの目玉になり、ここでは回顧型の姿も歓迎されている。
不特定の乗客の中にはアンチ広島カープの人もいるだろうに「乗客全員を広島カープフアンにしてしまう」カープ列車が今年も山陽本線を東に西に走っている。始発のホームに、話に聞いたりブログで拝見していたその列車が止まっており偶然乗り合わせることになった。乗ってしまえばアンチカープも気が休まるだろうが、マツダスタジアムへ向かう人はたまらないという。
気づいたのは選手の顔がドアに書かれている。停車中ドアは左右に開いており顔のないイラストだけでは選手を判別できない。それが分かってカープフアンだ、とジャッジされると抗弁出来ない。セパ交流戦が始まりその第1戦、カープは7対4でロッテに勝利し幸先よいスタートを切った。「去年より下位はありえぬ交流戦」という川柳が今朝の新聞にあった。フアンの願いどこまで届くか。