日々のことを徒然に

地域や仲間とのふれあいの中で何かを発信出来るよう学びます

引退のころ合い

2015年05月08日 | 自然 季節

 野球評論家の張本 薫氏がJ2の三浦知良選手(横浜FC)に「お辞めなさい」と発言しサッカーフアンから批判を浴びた。張本氏は説明する。三浦選手は中学生のころ単身でブラジルに渡って以降、30年間も日本のサッカー界を牽引した。自らの経験から「現役はつらい。神経を張りつめ闘い続ける必要がある。眠れない夜もある。早く楽になって、立派な指導者になって欲しい」と情ゆえの発言という。

 この変身を促す発言に「激励と思って頑張ります」と三浦選手は答えた。あれには参ったねと「喝!」の威勢は感じない。が「カズ選手自身が『俺はできる。まだやりたい』と言うなら、私も全力で応援します。心の中で『つらかったらいつでも辞めていいんだぞ』と思い続けながらね」と語る。

 一面に広がる黄色の絨毯のように敷かれた菜の花の光景は壮観で春の風物詩、その姿はブログや写真紹介される。しかし、あれほど賑わせた光景は遠くに去った。黄色は白く変色しかってのあのあでやかさは無いどころか、少し哀れに見える。桜が散ると時を同じくして姿を一変させる。今は子孫を残す種を抱いて頑張っている姿しかない。

 走っても前に進まない長嶋茂雄選手を見て「長嶋さん、辞めてください。もう十分です」と叫んだと張本氏は回顧する。名選手の引退時期はさように難しいものに伺える。花の色が黄から白に変わる。それは自然の成り行きでその過程を伺う術はないが、目には見えない引退の儀式が膨らんだ種の包みにある。白い花は短い一生を達観しているのかのように爽やかな風にただ揺れるだけで何も語らない。
コメント
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