AKB48 チームBのファンより

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SKE48『あの頃の君をみつけた』とカップリング曲を聴く。(ときめき研究家)

2021-09-26 21:13:41 | ときめき研究家
『あの頃の君をみつけた』。
原点回帰と言える楽曲だ。木漏れ日、通学路、夏の制服、自転車・・・・、AKBグループの楽曲に何度も使われたモチーフのオンパレードだ。古くて新しい学生時代の片思いソングを、松井珠理奈がいなくなってはじめてのシングルとして世に出したのは、第2の出発点との意味合いを込めたのではないか。欅坂46のようにグループ名を変えるまではしないが、また新たにスタートするという姿を見せたのだろう。
その再出発の曲のセンターは研究生の林美澪。大抜擢だが、最年少の松井珠理奈をセンターに抜擢したSKE48の歴史を踏襲しているとも言える。

「自転車を押して歩いた距離が青春だと いつか気づくだろう」という歌詞にはしびれる。自転車はAKBグループの楽曲に頻出する乗り物で、青春を象徴していると言える。しかも「自転車を押して」だ。自転車に乗るのではなく、押すというのは、徒歩の友人や恋人と話しながら歩いている状況だろう。そういう状況を歌った『ギンガムチェック』『抱きしめちゃいけない』という2大名曲が思い浮かぶ。

通学路で見かけた後輩たちの姿に、昔好きだった彼女と、彼女に片思いのまま告白できなかった自分自身の姿を重ねてノスタルジックな思いに耽っている。片思いでもいいと歌っているのか、気持ちを伝えておくべきじゃないかと勧めているのか、どちらにも取れる歌詞だ。つまりどちらでもよいのだ。AKBグループの楽曲はその両方を肯定している歌ばかりだ。

歌詞だけでなく、曲調やサウンドも、10年前くらいに聴いたような安心感のあるものだ。原点回帰という感じがするのもそのせいだ。

『青空片想い(2021バージョン)』。
このCDが原点回帰、再出発というもう1つの根拠は、カップリング曲として収録されたこの曲だ。SKE48のデビュー曲は『強き者よ』だが、その曲はアニメ主題歌で、異色の作品だった。その後のSKE48のチームカラーを決めたのは2曲目の『青空片想い』だっただろう。その曲をもう一度、2021年9月時点の在籍メンバーで改めて収録したということは、原点回帰、再出発に他ならない。
イントロに続いた歌い出しが、あの耳慣れた松井珠理奈の声ではない。あの主張の強い歌い方ではない。そのことが改めて彼女の存在感がいかに強かったかを再認識させる。
そしてこの歌も「片想いでいい」という歌だ。

(2021バージョン)と銘打っているので、もしかしたら歌唱だけでなくアレンジも変えているのかと思って聴き比べたが、アレンジは全く同じだった。2010年のカラオケをそのまま使っているようだ。無駄なお金はかけないということだろう。まあ、変にバラード調にしたりするよりはいいか。

『自転車のベルで伝えたい』。
ソロ曲だ。そしてこの曲も自転車が主役だ。通学時に自転車で偶然を装い、片思いの相手に会いたいという古典的な内容。『偶然の十字路』『柊の通学路』『初恋の踏切』『太陽が坂道を登る頃』『結局、じゃあねしか言えない』も同じような内容の歌詞だった。
ソロで歌っているのは江籠裕奈らしい。特徴的なアニメ声。須藤梨々花『ショートカットの夏』に雰囲気が似ている。

『雨のち奇跡的に晴れ』。
デートの約束の日、天気予報では雨だったが、午後から奇跡的に晴れて来てハッピーという歌。可愛らしいデートソングだ。そしてデートの行先が動物園というのは、AKB48初期の楽曲『雨の動物園』を踏まえた設定なのだろう。

『世界のスーパーヒーロー』。
名古屋が生んだ手羽先専門店「世界の山ちゃん」の応援ソングらしい。確かに「世界の山ちゃん」の手羽先の唐揚げは美味い。
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