『ハート・エレキ』はスルメ曲だ。
グループサウンズ調の曲で、メンバーの衣装や、CDのレーベル面とジャケット写真もそれっぽく、コンセプトは統一されている。
テレビで何回か見ていた時はそれほど好きではなかったが、CDで何回も聴いているうちに、徐々に好きになって来た。
60年代のグループサウンズをリアルタイムで意識的に聴いていたわけではないが、『君だけに愛を』(タイガース)のような、典型的なグループサウンズ調だと思う。どこか懐かしい気がする。
確かに当時はギターと言えばアコースティックギターで、エレキギターのことを「エレキ」と呼んでいた。『エレキの若大将』という映画があったくらいだから間違いない。バラエティ番組『TVジョッキー』の景品「白いギター」は、アコースティックギターだった。時は移り、現在ではどちらも単にギターと呼ぶか、あえて区別する時はアコースティックギターの方を「アコギ」と呼ぶようだ。
それにしても、観客の中の愛しい彼女に、言葉ではなく指先のギターテクニックで気持ちを伝えようという自己陶酔的な歌詞は、陳腐で、古めかしく、内容が空疎だ。でもそれがいいのだ。この曲は、古めかしいサウンドを楽しむための曲であって、歌詞に深い意味や洒落た表現は無用だろう。
唯一、Aメロの歌い出し「人差し指」が、『僕の太陽』と同じなのがちょっとした遊び心だ。
1点だけ難点を言えば、サビの歌詞「その瞳 その唇 そのすべて愛しくて」の「その唇」だ。
3文字分しか音符がないのに「くちびる」という歌詞を当てているので、「る」が全く聞こえない。「くちび」としか聞こえない。「びー」を伸ばした後で、英語歌詞で子音だけ(例えば「ビート」「ビーム」)ならまだ発声できそうだが、母音つきの日本語の「ru」をはっきり発音するのは無理だ。歌詞としての約束事が守られていないのではないか。カラオケで大勢の人が歌うはずの曲なのに、どう歌えばいいかきっと戸惑うはずだ。
それだったら、例えば「そのうなじ」「その背中」「その憂い」「その涙」「そのあくび」「そのlip」に変えるとか、「その」にこだわらず「その瞳 唇も 何もかも愛しくて」でもいいのではないか。
キャッチーで覚えやすく切ないメロディーのサビだけに、非常に惜しい気がする。
ミュージックビデオは、架空のガールズバンドのショートストーリーが付いているが、1回見るのにはまずまず面白い。メンバーが演奏しながら歌っているシーンもあるが、『GIVE ME FIVE』のように、この曲が生演奏で披露されることがあるのだろうか。難易度は高そうだが、下手でもいいので見てみたい。
グループサウンズの先輩、井上順(ザ・スパイダース)も出演している。井上順は渡り廊下走り隊のカップリング曲『夕陽のいじわる』のミュージックビデオ以来の出演だ。
グループサウンズ調の曲で、メンバーの衣装や、CDのレーベル面とジャケット写真もそれっぽく、コンセプトは統一されている。
テレビで何回か見ていた時はそれほど好きではなかったが、CDで何回も聴いているうちに、徐々に好きになって来た。
60年代のグループサウンズをリアルタイムで意識的に聴いていたわけではないが、『君だけに愛を』(タイガース)のような、典型的なグループサウンズ調だと思う。どこか懐かしい気がする。
確かに当時はギターと言えばアコースティックギターで、エレキギターのことを「エレキ」と呼んでいた。『エレキの若大将』という映画があったくらいだから間違いない。バラエティ番組『TVジョッキー』の景品「白いギター」は、アコースティックギターだった。時は移り、現在ではどちらも単にギターと呼ぶか、あえて区別する時はアコースティックギターの方を「アコギ」と呼ぶようだ。
それにしても、観客の中の愛しい彼女に、言葉ではなく指先のギターテクニックで気持ちを伝えようという自己陶酔的な歌詞は、陳腐で、古めかしく、内容が空疎だ。でもそれがいいのだ。この曲は、古めかしいサウンドを楽しむための曲であって、歌詞に深い意味や洒落た表現は無用だろう。
唯一、Aメロの歌い出し「人差し指」が、『僕の太陽』と同じなのがちょっとした遊び心だ。
1点だけ難点を言えば、サビの歌詞「その瞳 その唇 そのすべて愛しくて」の「その唇」だ。
3文字分しか音符がないのに「くちびる」という歌詞を当てているので、「る」が全く聞こえない。「くちび」としか聞こえない。「びー」を伸ばした後で、英語歌詞で子音だけ(例えば「ビート」「ビーム」)ならまだ発声できそうだが、母音つきの日本語の「ru」をはっきり発音するのは無理だ。歌詞としての約束事が守られていないのではないか。カラオケで大勢の人が歌うはずの曲なのに、どう歌えばいいかきっと戸惑うはずだ。
それだったら、例えば「そのうなじ」「その背中」「その憂い」「その涙」「そのあくび」「そのlip」に変えるとか、「その」にこだわらず「その瞳 唇も 何もかも愛しくて」でもいいのではないか。
キャッチーで覚えやすく切ないメロディーのサビだけに、非常に惜しい気がする。
ミュージックビデオは、架空のガールズバンドのショートストーリーが付いているが、1回見るのにはまずまず面白い。メンバーが演奏しながら歌っているシーンもあるが、『GIVE ME FIVE』のように、この曲が生演奏で披露されることがあるのだろうか。難易度は高そうだが、下手でもいいので見てみたい。
グループサウンズの先輩、井上順(ザ・スパイダース)も出演している。井上順は渡り廊下走り隊のカップリング曲『夕陽のいじわる』のミュージックビデオ以来の出演だ。
>歌詞を当てているので、「る」が全く聞こえない。
AKBGの曲で時々ある音符の数と歌詞の文字数の不一致は私もどうも納得いかないのですが、秋元さんの特徴だと思ってあきらめてます。
最近ではHKTのメロンジュースです:
"愛は「メロン」ジュース""だけど「切ない」ジュース”
盛り上がるパートですが「切ない」の「い」が聞こえません。
秋元さんは作曲家ではないのであまり気にならないのでしょうかね?
『ハート・エレキ』は、サビからラストへと…ポイントとなる言葉の語尾が、ほぼ、「い(i)」で統一されているので、唇の「る(ru)」の違和感が、(印象として)より残ってしまう結果になっているような気がしている。
でも、「唇」と同義語…「い(i)」を最後に!ってパターン…これ ないのよね~。
じゃあ 諦めて、少しでも 「く・ち・び・る」と、ある程度 ハッキリ目に聴こえさせる方法…
"そのくちびぃうー"
「ru」じゃなくて、「u」。「u」に逃がす方法…これしかないんじゃないかな~?
さじ加減が、結構難しいんだけど、これしかないと思ってる。あ…でも、ソロの場合じゃないと無理かも? 効果 薄い & 成立しにくいかも?
まあ、「この唇」だったら、(自分のこと)…振り付けで、なんとでもなるんだけどなぁ~(印象として)。
ただ、秋Pは、迷った末の末、「い(i)」押しの"勢い"の方を選んだのだと思う。
かつての沢田研二さんの "君だけ~にぃ~"の繰り返しから生まれる"勢い"のイメージ。
ムクドリさん
『ハートエレキ』もテケテケしてませんかね。それでは渡り廊下カップリング曲の『ビキニは似合わない』はどうでしょう。これこそGSではないでしょうか?
ピーナッツさん
「い」の韻を優先した、ですか。そうかもしれませんね。でも、私は歌詞が聴き取れない歌はどうしても我慢できません。「くちび」が「だいどこ」のように最後の1文字を省いても慣用されている言葉だったらよいのですが。
「口火」と歌っていると思うことにします。