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松田聖子がデビュー40周年。(ときめき研究家)

2020-10-04 18:34:41 | ときめき研究家
松田聖子がデビュー40周年ということで、記念アルバムを出し、テレビ出演が続いた。NHKの特番とフジの「ミュージックフェアー」を観た。

1980年『裸足の季節』でデビューして、2曲目の『青い珊瑚礁』で早速トップアイドルとなった。その後年間4枚のペースでシングルを出し続け、オリコン連続1位の記録を作った。
私がシングルを欠かさずに購入していたのは1985年の『ボーイの季節』まで。その後、アメリカ進出や、結婚・出産などを経ても、ほぼブランクなく今日まで活躍を続けているのは驚異的だと思う。

せっかくなので、松田聖子シングルベスト5を選定してみた。
特別番組でも過去の映像を沢山流していたが、どの曲も懐かしい。当時は歌番組も多くて、3カ月ずっと聞き続けていると飽きてきてあまり好きではない曲もあったのだが、時間が経って聴くと、どの曲も素晴らしい曲に思えるのは不思議だ。
ほとんどの楽曲が松本隆作詞、そして作曲は彼の懇意のミュージシャンたちが入れ代わり立ち代わり参入した。創造されたのは、革新性と大衆性を兼ね備えた作品ばかり。そしてそれらの曲を事も無げに歌う聖子は天才であり、間違いなく稀代のアイドルだった。

ではシングルベスト5。記載は発売順。

『夏の扉』。
この曲までは松本隆作詞ではない(三浦徳子作詞)。作曲は財津和夫。デビュー2年目の聖子の伸びやかな歌唱を存分に楽しめる曲だ。道路の向こうから「好きだよ」と叫ぶ彼の非常識な衝動は、ANB48の『大声アイアモンド』の源流。
この年のNHK紅白歌合戦への出演時、本当に「髪を切っ」て現れた聖子に驚いた。

『赤いスイートピー』。
呉田軽穂(ユーミン)作曲の、一般的な人気も高い曲だ。男性ファン中心だった松田聖子に、この曲で女性ファンが増えたと言われている。男性ファンとしても「知り合った日から半年過ぎても手を握らない」奥手の彼にシンパシーを感じた。
B面の『制服』も切ない卒業ソングの名曲。

『天国のキッス』。
細野晴臣作曲の軽快な曲。海でふざけ合って溺れかけている不謹慎なカップルの歌なのだが、あまりに幸福そうなので祝福してあげたくなる。
B面の『わがままな片想い』はテクノポップ風で可愛らしい歌。

『ガラスの林檎』。
細野晴臣作曲の地味な曲。しかし、秋の夜長の静謐な空気を感じさせる厳かなサウンドと清らかな歌唱には心洗われる。
B面(後に両A面扱いになった)は有名な『SWEET MEMORIES』。

『瞳はダイアモンド』。
ユーミンの作曲。失恋の歌なのだが、凛とした歌唱のせいで、そうだとはすぐには気が付かない。しっとりとした聖子の歌唱が最高潮。
両A面扱いのカップリング曲は『蒼いフォトグラフ』。テレビドラマ『青が散る』の主題歌。

次点として大瀧詠一作曲の『風立ちぬ』を加える。
グリコのCMソングで、アイドルの秋らしいシングルという発注に忠実に従っていながら、どこからどう聴いても大瀧詠一が自分の趣味を前面に出している曲だ。これが「革新性と大衆性の両立」の典型だ。


しかし振り返ってみると、私がアイドルとして松田聖子を鑑賞し続けていた期間は6年くらい。AKB48を鑑賞し続けているのは既に13年になる。松田聖子の2倍以上だ。
メンバーが新陳代謝するグループアイドルというのは長く鑑賞し続けられるという長所があることを再認識した。

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