空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

貧困とその結末(新聞記事メモ)

2021-02-24 22:43:54 | Weblog
 まずは直近に見たもの:

朝日新聞 所持金13円、餓死した親子 水も停止「2人孤独死」 染田屋竜太、河野光汰 添田樹紀 2021年2月24日 16時33分

 昨年のクリスマス、大阪府吹田市の団地の一室で、夫婦の遺体が見つかった。ともに67歳。夫は玄関付近で壁にもたれかかるように座り込み、妻はトイレの中で横向きに倒れていた。そばに妻の車いすがあった。

 吹田署によると、夫に重い持病はなく、死因は虚血性心疾患。12月上旬に急死したとみられる


一方、妻は足が不自由だった。死因は低体温症で、胃の中に固形物はなかった。介護を担っていた夫が先立ったため、十分な食事をとれなくなり、1~2週間後に亡くなった可能性があるという

 老々介護の果て、一方が力尽きると他方もほどなく詰む、という、そんな例。

今年1月13日、93歳の母と68歳の娘とみられる2人が遺体で見つかった事例では、室内にほぼ手つかずの市販のおせち料理がありました

 …まあねえ、こうはなりたくない、と思えば、稼ぎのいいどこかの次男坊を婿にとってだな―と考えるのも尤もなのだが、うちはうちで母がまだ生きていてだな? 兄は母の世話を放棄したので、自動的にこっちに降ってくるのだ。なお先日の地震の際には、その老母の安否確認の電話、行政さんは兄の所にやったようで。どうも―実情を確認せずに元気ですと返答したらしく…。

 …まあ、いいんですけどね。
 
 朝日さんはほかに特集を組んでいるが、それはそれとして毎日さんの類似の記事のメモを:

毎日新聞 所持金13円、水道も止められ、冷蔵庫は空…母娘はなぜ餓死したのか 毎日新聞2020年12月19日 11時00分(最終更新 12月23日 16時46分)

財布に残っていたのは、わずか13円だった。大阪市港区にあるマンションの一室で11日、腐敗した女性2人の遺体が見つかった。いずれも餓死で、住んでいた母親(68)と娘(42)とみられる。冷蔵庫は空っぽで、家の水道やガスは止められていた

大阪府警港署によると、11日午後、離れて暮らす母親の姉から「妹と連絡が取れない」と通報があった。警察官らが室内に入ると、洋室と居間の床で2人の遺体が見つかった。いずれも死後数カ月が経過し、腐敗が進んでいた。解剖の結果、2人とも低栄養症で胃は空だった。母親とみられる女性の体重は約30キロしかなかった

近隣住民らによると、母親は1976年にマンションが建った当初から、一家で住んでいた。結婚していったん家を出たが、娘を連れて実家に戻り、他の家族が亡くなった10年ほど前からは2人で暮らしていたという

 精一杯生きてきて、これがその最後か―と思えば、なんというか、やるかたない。
 誰もかれもが雑草か羽虫のように刈り飛ばされ、焼かれるような世の中なら、あるいはこうは思わないかもしれないが―そういう問題でもあるまい。

 ―できれば生活保護の拡充を求めたい気がするが、どうだろう。

産経新聞 餓死母親の息子「無戸籍で助け求められず」水と塩で… 2020.12.27 18:08産経WEST

大阪府高石市の民家で9月、住人の高齢女性が餓死し、同居の息子も衰弱して入院した。生活費が底をつき、最後は水と塩だけでしのいでいた親子。いずれも戸籍がなく、息子は「無戸籍だったので助けを求められなかった」と語ったという

女性は長崎県の五島列島出身で死亡時は78歳、息子は49歳で学校に通ったことがなく、最近は無職だったとみられる。息子とともに戸籍がなかったが、内縁の夫と3人で暮らしていた

平穏な暮らしに影が差したのは平成28年。内縁の夫が死亡し、息子と2人で遺産頼みの生活が始まった。次第に困窮し、今年夏ごろには食べるものもなくなった

8月末、女性は金を借りようと知人を訪ねた。しかし、言い出せず、そうめんをもらって帰った。それがほぼ最後の食事だったとみられ、この頃から女性は衰弱して歩けなくなり、息子が看病するようになった

「おはようございます。母が亡くなりました」

 近所の自治会長の70代男性宅に息子が訪ねてきたのは秋分の日の9月22日午前8時ごろ


 こちらの事例だと、行政への登録不備でどうしようもなかった、ということになる。
 役所に申し入れをして手続きすればなんとかなる―とはいえ、そうした手があること自体、それなりの知識なりなんなりがないと気づけない・知り得ない。

 …学校の先生が生徒学生に対するときには、そうしたニーズを聞き出すあれこれの手法なり、感覚なり、あったりするわけですが。それは対象領域が小さな場合にようやくまずまずの機能が可能な程度でありまして(つまりまあ、落第科目が特定できていて、落第の理由は何か探るときなど)。人間生活一般についての微妙な質問なんて、なかなかできたものじゃない。

 …民生委員や区長、市役所を問い詰めるのは無理だ。
 とはいえ、何とかできれば、ひとりでも多く救済出来得るわけでもあり―困りましたね。
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