2 自衛隊員の自殺防止への取組
98(平成10)年以来、わが国では、年間自殺者数が3万人を超え、深刻な社会問題になっている中、自衛隊においても、自衛官の自殺者数は、近年増加傾向にあり、04(同16)年度に94名と過去最多となり、05(同17)年度、昨年度はともに93名であった。
自衛隊員の自殺は、隊員個人および残された家族にとっても不幸なことであると同時に、有為な隊員を失うことは、極めて残念なことであることから、防衛省としては、03(同15)年7月、防衛庁長官政務官(当時)を本部長とする防衛庁自殺事故防止対策本部(当時)を設置し、自殺防止のため以下のような施策を実施しているが、引き続き、各種施策の強化に努め、自殺防止に取り組んでいくこととしている。
(1)カウンセリング態勢の拡充(部内相談員、部外カウンセラー、24時間受付の電話相談窓口)
(2)指揮官が部下隊員の不調に気づくことができるようになるための教育や一般隊員へのメンタルヘルスに関する教育などの啓発教育の強化
(3)春、夏の異動時期に合わせてメンタルヘルス強化期間を設置し、異動など環境の変化を伴う部下隊員に対する心情把握の徹底や、各種参考資料の配布、講演会の実施など。 |