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てらまち・ねっと



 来週の25日水曜日は10時から15分刻みで住民訴訟が4件ある(岐阜地裁民事2部)。

  ●10時00分、H18年 (行ウ) 第29号 前知事個人秘書業務費返還請求事件  
  ●10時15分、H18年(行ウ)第13号 山県市ごみ処理計画差止請求事件
  ●10時30分、H18年(行ウ)第25号 岐阜県庁裏金損害賠償履行請求等住民訴訟
  ●10時45分、H19年(行ウ)第15号 岐阜県議会議員選挙公営費返還請求事件

 そのうちの「退任後の梶原前知事の秘書をさせるために、県職員を外郭団体に派遣、そこの「職員」として好きなままに随行させていた事件」に関しての書面を昨日から作っている。

 今は、数百件の出張の1件ずつの相手方や中身を示して、「県や県民にとって何の意味もない、前知事個人の活動だ」ということを主張、立証していく作業。
 例えば今回、30回ほどの出張の整理をする。
 そのうちの1件3回の出張は次(今、作成中の準備書面の抜粋)。

 出張先は「原宿サロン」。2006年4月21日、6月2日、7月6日。
 「メッセージ」 には次のとおり。
「 原宿サロンは、各界のオピニオンリーダーとして活躍しておいでの皆様の「異分野交流、異文化融合のための出会いの場」として1978年より活動
・・まさに異文化の融合が創り出した珠玉のネットワークです。 時代を支えるリーダーと、次代を担う人々が出会える刺激的な情報最前線でもあります。
ご入会いただきますと・・・
〇様々な分野からの講師をゲストスピーカーにお招きする月例会へご出席いただけます。
〇月例会の「メンバーズ・プレゼンテーション」の場で、PRとネットワークづくりのためにお話をしていただける機会がございます。」

 「入会のご案内」 では
「 当サロンがお誘い申し上げた方、または会員2名様以上のご推薦をいただいた方々を、入会審査委員会を経て決定させていただいております。
 どうぞ楽しく有意義なサロンづくりにふさわしい方をご存じでしたら、ぜひご紹介ください。
  個人会員の入会金は ¥31,500/人
  年会費は一律一人¥105,000/人  」

 以上、会員制であることに加え、このような高額な維持費は、高級サロンというしかない。
 梶原の講演は、2005年2月であるから知事退任直後であるところ、その後3月に本件事業団会長になってからの訪問は、当該講演を縁としての個人会員としての訪問であって、岐阜県や県民の公益にはまったく関係のない、単に梶原個人の私的な出張であることは明白である 。


 こんな調子。

 もちろん、情報公開制度のない出張先の一部には、調査嘱託や提出命令の申し立ても併用している。
  
 この事件のこともあるし、議員の勉強会で、派遣職員の給与支出を問題にしている人の実例も聞いているので、先月、神戸市が47億円の返還請求をするように命じられた判決のことなど、頭においている。
 上記の自分のやっている訴訟でも、使える論理は幾つもあるから、今後使いたいと思っている。

 ともかく、ここのところ面白い住民訴訟の判決が出ているので「3件」紹介する。
 この判決の考え方を再利用できる人は少なくないはず。

(1) 職員派遣
 公益法人等派遣法では、あくまで自治体の事務事業に密接な関連を有する業務を行う団体への派遣に限定しており、密接関連性の希薄な団体へ職員を派遣していることが問題。しかも、判決は、団体の業務の性質など基本部分だけを捉えての適合性のみの判断では駄目で、個々の業務内容まで個別に適合性を判断すべきことを求めているようだ。

 判決を受けて、職員派遣の外郭団体等へ「補助金」でなく「委託料」に変更する動きもあるとも見えるが、補助金を委託料に替えても判断は変わらない旨も示されているようだ。

 そして、神戸市は上訴しないという。
 この判決の確定で、結局は、自治体と派遣団体と業務の密接関連性を今まで以上に厳正に評価・判断することが不可欠となるだろう。

(下記に引用してある記事)
●神戸市外郭の人件費 二審も「補助金支出は違法」
●上記地裁判決の要点と解説のデータ《事実の概要》 《判決の要旨》
●神戸市、「違法補助金」47億円の返還請求せず 原告側「判決無視だ」
●府出向職員給与、直接支払いに──橋下知事が指示

(2) 費用弁償など
 以前、岐阜県議会の議員の自宅から県庁までの登庁のための交通費など(費用弁償という)の返還を求めた住民訴訟を行った。岐阜地裁は、法廷では県にとても厳しかった。しかし判決では、食料費の一部は返還を命じたが、費用弁償は適法とした。

 「定額」の「費用弁償」や「旅費」「宿泊費」などの問題に、立ちはだかるのが1990年12月の最高裁判決。
   『実際に使用した額にかかわらず定額を支給することが許される。
    その額は地方議会の裁量に委ねられる』。

 しかし、昨日20日、札幌高裁は、適法とした地裁判決を覆し「弁償される定額が合理的である時に裁量の範囲にあると言える」と判示して、住民を逆転勝訴させた。

(下記に引用してある記事)
★札幌市議会:議会出席の日当1万円は違法 住民側が逆転勝訴 札幌高裁
 「条例で定められた地方議会の費用弁償支給について違法性を認めた判決は全国で初めて」
 「末永進裁判長は『交通費と出席に伴う雑費以上の支給は裁量権の乱用』と指摘した」
 「最高裁判決(90年12月)は『実際に使用した額にかかわらず定額を支給することが許される。その額は地方議会の裁量に委ねられる』と判断した。これまでの同様の訴訟はこの最高裁判決に縛られてきた。今回の札幌高裁判決は『弁償される定額が合理的である時に裁量の範囲にあると言える』と無制限な裁量に歯止めをかけた点で画期的といえる。」

(3) 勤務評定なしの手当支給は違法

 2月13日の神戸地裁判決。
 判決は「地方公務員法の趣旨から、支給には定期評定の結果を判断材料の一つとすることが必要だ」と指摘し、全国の自治体のうち06年度で勤務評定を給与支給に活用しているのは13~18%にとどまることにも触れ「違法状態を是正するのが当然だ」とした、という。

 実質勝った原告は、「違法性の認定」がされたが「返還命令」がないので控訴し、負けた市は控訴しない、という。
 私なら、控訴せず、「画期的判決を確定」させたい。

(下記に引用してある記事)
◆住民訴訟:勤務評定なしの手当支給、宝塚市に「違法」と指摘--神戸地裁判決 /兵庫

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●神戸市外郭の人件費 二審も「補助金支出は違法」   神戸 2009/1/20 21:46 
 神戸市が職員派遣先の外郭団体に人件費として支出した補助金の適否が争われた住民訴訟の控訴審判決が二十日、大阪高裁であり、若林諒裁判長は、一審を上回る計約二億五千万円を矢田立郎市長と三団体に返還させるよう市に命じた。

 市民団体「ミナト神戸を守る会」の東條健司代表らメンバーが提訴。一審・神戸地裁判決は「市は公益性をまったく審査せず補助金を出しており、直接の給与支給と言われてもやむを得ない」として、矢田市長と二団体に計約二億一千八百万円を返還させるよう命じていた。

 外郭団体の派遣職員の給与を自治体が直接支給することは禁じられているが、地方自治法の例外規定として「公益上の必要性」を満たせば補助金支出が可能。また、二〇〇二年四月施行の「公益法人への地方公務員派遣法」でも、派遣先業務が給与支給可能業務である場合などに限り認められている。

 判決によると、神戸市は〇四-〇五年度、市職員を派遣した「こうべ市民福祉振興協会」など福祉、医療関係の三つの財団法人に、派遣職員らの人件費に充てるため、補助金を支出した。

 判決理由で若林裁判長は市が各団体と結んだ協定書で定める派遣職員の業務は「派遣法が例外規定と定める給与支給可能業務に当たらない」と判断を示した
 神戸地裁が計約四十五億円を矢田市長と十八団体に返還させるよう命じた同様の訴訟も大阪高裁で係争中。早ければ今春にも判決が下される。
 同市の小柴善博行財政局長は「判決の内容を精査したうえで対応を検討したい」とコメント。上告も視野に協議するという。

 一方、原告の東條代表は「市は上告を取りやめ、違法支出が完全になくなるよう税金の使い道について早急に総点検をすべきだ」と話した。

●住民訴訟:神戸市職員派遣、「補助金で給与」違法 2億5000万円全額返還命令  毎日新聞 2009年1月21日
 神戸市が、市と関連の薄い業務を行う外郭団体へ派遣した市職員に、補助金の形で給与を支出したのは違法として、市民団体が矢田立郎市長を相手に約2億5000万円を返還させるよう求めた訴訟の控訴審判決が20日、大阪高裁であった。若林諒裁判長は「給与支出は公益法人派遣法に違反する」として、約2億2000万円の返還を命じた1審判決を一部変更し、市民団体側の請求を全面的に認めて全額を返還するよう命じた。

 神戸市の「ミナト神戸を守る会」のメンバーが06年に提訴した。市が04~05年度に複数の外郭団体に支出した補助金のうち、派遣職員の給与分の返還を求めていた。
 昨年4月の神戸地裁判決は一部を適法としたが、高裁判決は、補助金の支出を市による派遣職員への給与支給と認定したうえで「自治体と密接に関連する業務を除き、派遣職員への給与支給を禁止する公益法人派遣法に違反している」とした。
 「守る会」の東條健司代表らは判決後、神戸市役所で会見し「画期的な判決。市は財政難と言いながら、公金の扱いは極めてずさん。すぐに補助金を返還すべきだ」と話した。

●上記地裁判決の要点と解説のデータ
TKCローライブラリー (開くにはちょっと重たい)
【裁判結果】. 一部却下、一部棄却、一部認容.


●住民訴訟:神戸市、「違法補助金」47億円の返還請求せず 原告側「判決無視だ」  毎日新聞 2009年2月15日
 神戸市が外郭団体に派遣した職員に補助金の形で給与を支出したのは違法として、矢田立郎市長と外郭団体に約47億7000万円の返還を求めるよう市に命じた神戸地裁の判決(08年4月)に対し、市は条例を改正して市長らへの返還請求を放棄することを決めた。市長や外郭団体に過大な負担がかかるのを回避するためで、20日開会の市議会に提案する。原告は「住民訴訟の意義がなくなる」と強く反発している。

 派遣職員の給与は市から外郭団体に補助金などの形で支出後、団体から職員に渡される。しかし、公益法人派遣法は派遣職員への給与の支給を原則的に禁じており、神戸地裁は違法と認定。先月の大阪高裁判決も全面的に原告の主張を認めた。

 最高裁で敗訴が確定すれば60日以内に返還請求する義務が生じるため、市は善後策を協議。議会の議決があれば権利を放棄できるとする地方自治法96条の規定に基づき、公益法人などへの派遣職員に関する条例に返還請求の放棄ができるよう盛り込むことにした。

 市人事課は「現実には市長や外郭団体が返済するのは不可能。返還を求めなくても実質的に市の損害はない」としている。一方、原告側の「ミナト神戸を守る会」の東條健司代表は「正直驚いた。議会の承認さえあれば判決が無視されることにもなり、到底受け入れられない」と話す。【川上晃弘】

●府出向職員給与、直接支払いに──橋下知事が指示  日経ネット関西版  2009/02/05配信
 大阪府の橋下徹知事は、府の出資法人などに出向する府職員の給与を、団体への補助金などの名目で支払うことをやめ、直接支給に切り替えるように指示した。神戸市が出向職員の人件費を支出したことを違法とした大阪高裁判決を受けた措置。

 府は出資法人など66団体に計492人の府職員を派遣。補助金や委託料の一部として、来年度に約31億円の人件費を団体に支払う予定だった。これを、府職員の給与分は府が直接職員に支払う形に改める。また、府は今後、団体への出向自体をなくす方向で検討を進める。

●札幌市議会:議会出席の日当1万円は違法 住民側が逆転勝訴 札幌高裁   毎日新聞 2009年2月21日
 札幌市議が市議会に出席すると日額1万円が支給される費用弁償は「報酬の二重取りに当たる」として06年6月~07年5月分の計約3600万円の返還を求めた住民訴訟で、札幌高裁は20日、請求を棄却した1審・札幌地裁判決(08年3月)を変更し、全額を返還させるよう上田文雄市長に命じる住民側逆転勝訴判決を言い渡した。末永進裁判長は「交通費と出席に伴う雑費以上の支給は裁量権の乱用」と指摘した。

 訴えていたのは同市南区の主婦、大坪富美子さん(65)。全国市民オンブズマン連絡会議(事務局・名古屋市)によると、条例で定められた地方議会の費用弁償支給について違法性を認めた判決は全国で初めて。事務局長の新海聡弁護士は「市民感覚に見合った極めて画期的な判決」と評価した。費用弁償をめぐっては住民の批判を受け廃止する地方議会が全国で相次ぎ、札幌市議会も07年9月に廃止している。

 裁判で市側は「交通費にはタクシー代も含まれる」と主張、1審判決は「支給額は行政の裁量の範囲内」とした。これに対し2審判決は「議会出席のため常にタクシーが必要とは言えない。市内から議場までの交通費はほとんどが往復1000円以内。事務経費などを加算しても1万円は必要費用の3倍程度に当たる」と算定。「全体が違法な支出」と判断し、市議と前市議計67人に全額を返還させるよう市長に命じた。

 大坪さんは判決後、「市民の常識を司法に認めていただき感謝している」と喜ぶ一方、「議員は行政のチェックが仕事。市民からチェックされるようでは情けない」と市議会の対応を批判した。
 上田市長は「判決の内容をよく精査したうえで今後の対応を検討したい」、市議会の畑瀬幸二議長は「今後の動向を見守りたい」とのコメントを出した。【芳賀竜也】

◆「行政の裁量範囲」に歯止め
 議員報酬とは別に議会出席経費を支給する「費用弁償」について違法性を認定した20日の札幌高裁判決は「行政の裁量の範囲」を広く認めてきた従来の判決と一線を画した。地方議会の費用弁償や政務調査費をめぐっては「報酬の二重取り」として返還を求める住民訴訟が各地で起こされており、宮城県の費用弁償訴訟を手掛ける小野寺信一弁護士は「札幌高裁判決は追い風になる」と歓迎する。

 費用弁償は領収書による実費支給が本来の筋だが、作業が煩雑になるなどの理由から、千葉県市川市費用弁償訴訟の最高裁判決(90年12月)は「実際に使用した額にかかわらず定額を支給することが許される。その額は地方議会の裁量に委ねられる」と判断した。

 これまでの同様の訴訟はこの最高裁判決に縛られてきた。今回の札幌高裁判決は「弁償される定額が合理的である時に裁量の範囲にあると言える」と無制限な裁量に歯止めをかけた点で画期的といえる。
【芳賀竜也】

●住民訴訟:勤務評定なしの手当支給、宝塚市に「違法」と指摘--神戸地裁判決 /兵庫  毎日新聞 2009年2月14日
 ◇請求は棄却
 地方公務員法で義務付けられている勤務評定を行わず、宝塚市が職員に勤勉手当を支給し、定期昇給させたのは違法だとして、同市の多田浩一郎市議=無所属=が阪上善秀市長を相手取り、支給を受けた市職員に05年分計約10億5000万円を返還させるよう求めた住民訴訟の判決が13日、神戸地裁であった。佐藤明裁判長は請求自体は棄却したものの「勤務評定を行わずに支給するのは地方公務員法に違反する」と認めた。

 判決によると、宝塚市は、全国的に職員団体による勤務評定拒否運動が行われ労働争議が起きたことなどを受けて1965年ごろ以降は定期的な勤務評定をせず、勤勉手当を支給したり定期昇給していた。

 判決は「地方公務員法の趣旨から、支給には定期評定の結果を判断材料の一つとすることが必要だ」と指摘。
 全国の自治体のうち06年度で勤務評定を給与支給に活用しているのは13~18%にとどまることにも触れ「違法状態を是正するのが当然だ」
とした。

 一方、「約40年にわたり地方公務員法の条項が空文化されていた責任は市長と市当局にあり、近年の職員に負わせられるものではない」として請求は棄却した。
 原告側は「違法状態を認めたことは評価するが、最終的に退けたのでは意味がない」として控訴する方針。阪上市長は「来年度から管理職を対象に人事評価を昇給などに反映することにしており、引き続き人事制度の構築に取り組んでいきたい」とコメントした。【山田泰蔵】

 ◇市職員「判決の影響大きい」
 訴えを起こした多田浩一郎・宝塚市議はこの日、判決を「違法性が認められ、実質的には勝訴だ」と評価しながらも、「お金の返還がないと違法状態を放置することになり、全国の自治体の改革が止まってしまう。もっと踏み込んだ判決が欲しかった」と批判。即日、控訴の書類を発送した。一方の宝塚市は「違法と指摘された部分は早急に解消を目指している」とし、控訴しない方向で検討している。
 
判決が指摘したように、勤務評定を給料に反映している自治体は少数派だ。
宝塚市も1959年、勤務評定を定期的に実施するよう定めた「勤務評定規則」を制定したが、労組の反対などもあって形骸(けいがい)化していた、という。だが03年「成果目標チャレンジ制度」と題した勤務評定の制度を立ち上げ、管理職から段階的に定期的な勤務評定を始めている。

 今年6月からは、勤務評定の結果が管理職の昇給や勤勉手当に反映される。市は非管理職についても勤務評定を給料に反映させる方針。市職員労働組合は「市との交渉には応じる。公正公平な勤務評価の手法を構築するよう主張していきたい」と話している。ある市職員は判決について「評価と手当を結びつけていない自治体が多く、宝塚も『やらなくて良いのでは』という思いでいた。判決が他の自治体へ与える影響は大きいはず」と話していた。【山田奈緒】

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