ウィキリークスによる公文書の公開。
アメリカやドイツでは漏えい元が明らかになりつつある。
とはいえ、一人二人を逮捕しても「流出源」は絶てないのが、こういう時の常。
政府機関などの要請によってだろうか、ウィキリークスのサイトが「大量のサイバー攻撃」を受けたという。
各国は、サイトの運営会社に圧力を掛けたり、資金の移動を断ったりの対応までしてるらしい。
ウィキリークスの創始者は『命の危険』を感じているといい、「膨大な情報は10万人以上が暗号化された形で保存」しており、「我々に何か起きたら、(漏えい文書の)主要部分が自動的に公開される」と警告したという。
何か、SF小説のような実話だ。
なお、毎日新聞の社説が世界や国内の主要紙のとりあげ状況を比較していたので、最後に記録。
(このブログの関連エントリー) 2010年11月5日⇒◆尖閣・衝突ビデオ 昨夜から流出/NHK「機密告発サイト・ウィキリークスの衝撃」/Wikileaks
2010年11月9日 ⇒ ◆インターネット時代ゆえに展開すること/ウィキリークス/警察情報漏えい/尖閣ビデオ流出
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●「生命の危険」とウィキリークスの創設者アサンジ氏 巨大権力に警戒
産経 2010.12.4 01:12
ウィキリークス創設者ジュリアン・アサンジ氏=10月23日(AP=共同)
内部告発サイト「ウィキリークス」の創設者、ジュリアン・アサンジ氏が3日の英紙ガーディアン(電子版)で、米外交文書公開などに伴い、自身や仲間が生命の危険を感じているとの認識を明らかにした。
アサンジ氏は同紙の読者からの質問に答える中で、巨大な権力に対抗する上で、可能な範囲で適切な警戒措置を取っていると語った。
アサンジ氏は性犯罪の容疑で、国際刑事警察機構(ICPO)から国際指名手配されている。(共同)
●公電流出源は米軍上等兵 米長官「若い兵士の窃盗」
2010/12/04 12:09 【共同通信】
【ワシントン共同】クリントン米国務長官は3日、内部告発サイト「ウィキリークス」に米外交公電25万点が流出したことについて、「若い兵士による秘密情報の窃盗」と述べ、軍の機密文書の不正入手容疑で訴追されているブラッドリー・マニング米軍上等兵(23)が情報源であることを事実上認めた。英BBC放送とのインタビューで語った。
マニング上等兵は、イラク駐留米軍情報部門に勤務していた際、極秘資料を見ることができる立場を利用し、世界各地の情報を入手。ウィキリークスによる先のアフガニスタンとイラクの戦争に関連する文書公開の情報源として既に拘束され、今回の公電流出でも関与が疑われていた。
クリントン長官はマニング上等兵の行為について「国防総省に与えられた権限に基づいて行われた」と述べ、情報共有のために、国務省の公電管理データベースと接続していた国防総省のネットワークから情報が流出したと断定した。
●外相側近が情報漏えい=ドイツ連立政権に打撃-ウィキリークス
時事 2010/12/04-14:42
【ベルリン時事】ドイツの与党・自由民主党は4日までに、内部告発サイト「ウィキリークス」が公表したマーフィー駐独米大使の公電の情報源が党首を務めるウェスターウェレ外相の側近の秘書室長だったことを突き止め、解任した。政権中枢からの情報漏えいが明らかになり、メルケル首相が率いる連立政権に大きな打撃となっている。
大使は公電で、昨年9月の総選挙後の連立協議の内容などを本国に報告した。情報源に関しては「自民党に忠誠心のある有望な若手」と説明。同党の内部調査の結果、連立協議で記録係だった秘書室長のヘルムート・メッツナー氏(41)が浮上した。
公電は、ドイツ国内の米戦術核の撤去を主張する同外相に対し、連立相手であるキリスト教民主同盟の重鎮、ショイブレ財務相がイランに対する抑止力になっていると反発し、メルケル首相が「ドイツだけでは決められない」とその場を収めた経緯が詳述されている。情報源は連立協議の内部文書も持参したという。
●米国、公電公表での起訴は困難な見通し
2010年 12月 2日 5:41 JST
米外交公電の内容が先週末に欧米の主要紙に暴露されたことを受けて、テレビ解説者や論説委員、政治家の間では、新聞各紙に情報を流した内部告発サイト「ウィキリークス」の創設者の逮捕を求める声が強まっている。
法律および国家安全保障関連専門家の多くは、ウィキリークスの創設者、ジュリアン・アサンジ氏を米国で裁判にかけようとする試みは別問題で、同氏の米国への召喚ならびに、基本法で言論の自由を保障する米国で起訴に持ち込むことは難しいだろうとの見方を示している。
デューク大学法学部の教授で国家安全保障法の専門家、スコット・シリマン氏は「米国がアサンジ氏に対する有罪判決を勝ち取ることは極めて困難となろう」と指摘。米政府は「次々に大きな障害」に直面する見込みだという。
エリック・ホルダー米司法長官は11月29日、米国は情報漏えい者の起訴を目指しており、米連邦捜査局(FBI)と国防省が同ウェブサイトに流された公電について初期の捜査を続けていると明らかにした。
・・・・
専門家らは米司法省がアサンジ氏に対して訴訟を起こすとすれば、1917年に成立した諜報活動取締法が持ち出される公算が大きいと指摘している。
ただ、米国憲法修正第1条の専門家で弁護士のフロイド・エイブラムス氏は、この法律は一般的に時代遅れだとみられており、有罪判決を目指して使用されることはまれだとの見方を示した。同氏は、「これは非常に広範に及び非常にあいまいなことから、実際に使用されたことはほとんどない」と語った。
●文書公開直前のウィキリークスに“サイバー攻撃”
テレビ朝日 12/02 11:48
これまで数々の米政府の機密文書を公開してきた内部告発サイト「ウィキリークス」に攻撃です。先日、外交機密文書25万点を暴露しようとした直前、大量のコンピューターから一斉にアクセスされるサイバー攻撃を受けていたことが分かりました。・・・
●ウィキリークス閲覧不能 6時間 大量のサイバー攻撃
(2010年12月4日 読売新聞)
【ロンドン支局】米政府の外交公電を連日公開している民間の内部告発サイト「ウィキリークス」が、日本時間の3日正午頃から約6時間にわたり、閲覧できない状態となった。
・・・・・
●ウィキリークスが復旧、3ドメインで閲覧可能に
AFP 2010年12月04日 10:49 発信地:パリ/フランス
【12月4日 AFP】サイバー攻撃を受けて一時閉鎖していた内部告発サイト「ウィキリークス(WikiLeaks)」は3日、新たにオランダ、ドイツ、フィンランドの3つのドメインを立ち上げたことをツイッター(Twitter)で発表した。
新たに立ち上げた3ドメインは、「wikileaks.nl」「wilileaks.de」「wikileaks.fi」。これに先だってウィキリークスはスイスドメインのサイトも設立したが、同日夜までにアクセス不能となった。(c)
●ドメイン、サーバー、送金サービス続々停止 各国政府、ウィキリークスを「兵糧攻め」?
時事 2010/12/ 4 17:36
米国の機密文書を公開してきた内部告発サイト「ウィキリークス」をめぐる動きが活発化している。同サイトが利用しているサーバーを運営している会社が、ウィキリークスを事実上「追放」したほか、電子決済サービスも同サイトへの送金停止を発表。
ドメインはスイスに移転
一連の動きが起こったのは、2010年12月3日だ。同日正午ごろ、ウィキリークスのサイトにアクセスができなくなった。原因は、同サイトのインターネット上の住所にあたる、「wikileaks.org」というドメインを管理している米「エブリィDNS」社が、ドメインを使用できなくしたことにある。エブリィDNS社では、「同社のサイトに大量のデータを送りつけるサイバー攻撃があり、このままではサービス全体に影響が出る」などと説明。
だが、ウィキリークス側の対応も早かった。日本時間18時頃には、ツイッター上で「wikileaks.ch」という新たなスイスのドメインでの運用を始めたことを報告している。
さらに、ウィキリークスは、米アマゾン社のサーバーの上で運用されていたのだが、12月2日には、アマゾンから「追放」の憂き目にあっている。これは、米議会の要請の応じて行った措置だとみられるが、アマゾンは、
「ウィキリークスは、利用規約に複数の点で違反している。例えば、『利用者は、全てのコンテンツを所有・またはコントロールしていることや、コンテンツが人や組織を傷つけないことを表明・保証しなければならない』が、ウィキリークスが、この機密コンテンツを所有したり、権利をコントロールしていないことは明らかだ」
と主張。
だが、ウィキリークス側は、やはりツイッター上で
「アマゾンの発表は、公の記録に残っている事実と一致しない」
と反論。その上で、サイトをスウェーデンやフランスの会社が運営するサーバーに移転した。
だが、フランス政府は、国内のインターネットサービスを管轄する機関に、ウィキリークスへのサーバー停止を禁止するように要請。ウィキリークスが再び「引っ越し」を迫られる可能性もある。
アサンジ氏「巨大な権力に対抗するための警戒はしている」
ウィキリークスにとって痛手になりそうなのが、募金手段のひとつとして活用されていた電子決済サービス「ペイパル」の利用停止だ。ペイパルは、ウィキリークスへの送金を停止した理由として、アマゾンと同様に「利用規約に違反する」と説明しているが、ウィキリークスは「米国政府の圧力によるものだ」と反発している。
・・・・
●ウィキリークス:創始者潜行情報、英当局の対応焦点 「不測事態なら自動公開」
毎日新聞 2010年12月4日
【ロンドン笠原敏彦】内部告発サイト「ウィキリークス」の創設者、ジュリアン・アサンジ氏の処遇が関心を集めている。現在、英南部に「潜行」しているアサンジ氏は、スウェーデンでの性犯罪容疑で国際指名手配されており、英警察当局が手配に応じて同氏を拘束するかどうかが焦点だ。
ウィキリークスによる米外交公電の暴露が続く中、米政府などがアサンジ氏への法的措置を検討しているが、同氏にとって当面の「危機」は性犯罪での国際指名手配だ。英BBC放送などによると、スウェーデン当局は3日、11月18日に出した強姦(ごうかん)容疑などの逮捕状に不備があり、英当局から照会を受けて逮捕状を出し直した。
不明瞭なのは「性犯罪」容疑の中身。被害を訴えたのはスウェーデン女性2人で、アサンジ氏が8月の同国滞在中に知り合った。同氏は強姦容疑を否定して「同意の上」での関係だったと主張。スウェーデン当局が事情聴取を求めている。この件をめぐっては、スウェーデン検察は8月に逮捕状を請求したが、その翌日に一旦は取り下げた経緯がある。
アサンジ氏の英国での弁護士、マーク・スティーブンス氏は逮捕状について「根拠がなく、(秘密暴露に対する)中傷キャンペーンだ」と指摘した上で、「(英国の)警察はアサンジ氏がどこにいるかを把握している」と説明している。
欧州連合(EU)のルールで、加盟国は域内での逮捕状が手続き的に有効な場合、容疑者を拘束して、90日以内に当事国へ引き渡す義務がある。
◇「反権力」信条、暴露で受賞歴も
【北米総局】米紙ウォールストリート・ジャーナルなどによると、アサンジ氏は1971年、オーストラリア東部クイーンズランド州生まれ。14歳までに37回の引っ越しを経験した。
両親は徹底した反権力主義者で、「権威に対する不健全な敬意を染み込ませる」との信念から学校教育を否定し家で通信教育などを通じて学ばせた。16歳だった87年にコンピューターを買ってもらうと、暗号を解読してサイトに侵入することに興味を覚え、米国防総省などへの侵入を繰り返した。
メルボルンの大学で数学や物理を学んだ。一緒に働いた研究者は「非常に有能で、倫理や公正、政府が何をすべきかに強い関心があった」と振り返っている。
18歳で結婚したが、20歳の時に、カナダの通信会社のシステムに侵入したことを契機に31件のハッキングの疑いで逮捕された。また、妻と不仲になり、子供の親権を求めた裁判闘争で髪が真っ白になったという。
影響を受けた作家はカフカ、ケスラー、ソルジェニーツィンで、「人間の戦いは個人対公的機関だ」などが持論。スウェーデンやアイスランドなどを頻繁に行き来しているという。
アサンジ氏はケニア警察当局による殺害行為を暴露したとして、09年に人権団体アムネスティ・インターナショナルの「国際メディア賞」(ニューメディア部門)を受賞した。
●リーク情報の掲載継続を表明=英紙サイトに「生出演」-アサンジ氏
時事 2010/12/04-07:53
ろ・・・また、同氏らが生命の危険にあるのは周知の事実だとし、「可能な限り適切な警戒措置を講じている」と言明。ウィキリークスに「何かがあった場合」、これらの未公表情報の主要部分が自動的に明らかにされる手はずになっていると述べた。
●ウィキリークス創設者「今後も公開続ける」
(2010年12月4日 読売新聞)
【ロンドン=大内佐紀】内部告発サイト「ウィキリークス」の創設者ジュリアン・アサンジ氏(39)は3日、英ガーディアン紙のウェブサイトで読者からの質問に答えた。
自身が「生命の危険にさらされている」と記した上で、「我々に何か起きたら、(漏えい文書の)主要部分が自動的に公開される」と警告した。
アサンジ氏は「歴史は勝つ。(文書公表で)世界は良くなる」として、文書の暴露を正当化。米政府の外交公電を提供した情報源を「比類なき英雄」とたたえた。さらに、「私の役割はジャーナリストを組織し、指示を与える編集長のようなもの」だと主張し、今後も漏えい文書の公開を続ける意向を示した。漏えい文書は、「暗号化された形で10万人以上が取得し、複数のメディアにも渡っている」と説明した。
アサンジ氏は現在、英国に滞在中とされるが、サイトでは居場所を明かさなかった。祖国のオーストラリアを「懐かしく思う」と述べるなど、気弱な一面ものぞかせた。
●ウィキリークス創設者、UFO関連公電の公開を示唆
OCN 2010.12.04 Sat posted at: 12:17 JST
・・また、ウィキリークスの動向はしばしばアサンジュ氏を主語として報じられるが、アサンジュ氏が前面に出ることで多くの情報提供者たちの勇気ある行動や尽力がおとしめられるのではないかとの意見も寄せられた。これに対して、最終的には責任は誰かに帰着すると述べたうえで、自身は「避雷針になっている」と説明した。
UFOや地球外生命体に関する文書を受け取ったことがあるかとの質問にも答えた。アサンジュ氏は、UFOに関するメールを多数受け取っていることを明らかにしたうえで、公開のルールとして(1)文書は通報者以外が作成したものであること、(2)オリジナルであることの2点が要件であると応じた。しかし、今後公開される予定の文書の中にUFOに関する記述が含まれていることは注目に値すると付け加えた。
集めた情報は分散して保存してあるのかとの問いに対しては、米国などから集めた膨大な情報は10万人以上が暗号化された形で保存しており、不測の事態が起きれば主要部分は自動的に公開されると回答。さらに、アーカイブは複数の報道機関が管理しているとも語った。
●ウィキリークス創設者「命の危険を感じる」
テレビ朝日 12/04 07:36)
内部告発サイト「ウィキリークス」の創設者、ジュリアン・アサンジ氏は、機密文書の公開に際して「命の危険を感じることもある」という認識を示しました。
アサンジ氏は3日、外交文書の資料を提供したイギリスの有力紙「ガーディアン」のサイトで読者の質問に答え、「我々の生命に危険が及んでいるのは明らかだが、巨大な権力に対抗するため、できる限りの予防策を取っている」と述べました。ウィキリークスは大量の外交文書を公開後、サイバー攻撃に遭い、サイトが一時的に閲覧不能になっていました。また、アサンジ氏は、自らの女性暴行容疑について逮捕状の撤回を求めていましたが、スウェーデンの最高裁はこれを退けました。そのため、アサンジ氏が現在滞在しているとみられるイギリスでは、「逮捕が近いのでは」という観測記事も出ています。
●社説:論調観測…ウィキリークス 何が公益で何が危険か
毎日新聞 2010年12月5日
内部告発サイト「ウィキリークス」が米政府の外交公電を大量に入手し公開を進めている。外交と機密情報、内部告発の是非、インターネット時代のメディアの責任など難しいテーマを含んでおり、世界中で論議が盛んだ。自らの活動と密接に関係する問題であるだけに、新聞も悩みながら論じているようだ。
ウィキリークスから公電情報を入手し報道したメディアの一つ、英ガーディアン紙は、「情報の大半は米政府の公式見解と大して違わない」と機密性の低さを指摘したうえで「(情報暴露に)概して大人の対応をしている」と米政府を評価。同紙から公電情報を譲り受け報じたとされる米ニューヨーク・タイムズ紙は、「(今回の暴露)情報は米国内外の人々が知るに値する政策を明らかにしており貴重」と露骨なまでの肯定ぶりだ。
一方、ウィキリークスから情報提供の打診を受けながら条件が折り合わず入手しなかった米ウォールストリート・ジャーナル紙は、ウィキリークスの創設者、アサンジ氏を「自由社会のためになっていない」と非難しつつも、「あいまいな法的根拠で起訴すれば、ジャーナリストの起訴に道を開きかねず心配」と警戒。機密維持が困難なインターネット時代だからこそ、政府は機密の量自体を少なくし、アクセスできる人物も限定すべきだと論じている。
これとは方向を異にするのが、「新しい時代に合わせて、政府や企業が機密情報の管理を強化するのは当然」と主張した読売だ。「ネット時代だからこそ、メディアも含め情報を公開する側は、これまで以上に自らに厳しく、抑制的でなければならない」とした。政府に情報開示を迫り、政府が隠したがる情報を掘り出して報じる役割の報道機関が自ら「抑制」を唱えるとはどういうことなのか。
毎日は、外交関連の会話が部分的に暴露されることによる外交上の打撃や政府関係者の身の危険を指摘しつつ、ウィキリークスが10月に公開したイラク戦争関係の機密情報について「米政府が自ら公表してしかるべきだった」と、暴露の意義も認めている。一方、朝日は4日現在、国内全国紙で唯一、この問題を社説に取り上げていない。
結局、非開示情報の公表が公益か否かは、私たちが良識に従い一件一件判断するしかない。一律に規制を強化したり、組織の不正を暴こうとする人を短絡的に締め出そうとすれば、自由や民主主義を阻害し、私たちの首を絞める結果になるだろう。【論説委員・福本容子】
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