2000年12月に有明海が記録的なノリ凶作に見舞われたのを機に、02年11月、沿岸の漁業者らが国に対し国営諫早湾干拓事業の工事差し止めなどを求めて佐賀地裁に提訴した。原告は最終的に2503人(うち漁業者は約1200人)。
工事の進行に伴い原告は06年11月、請求を「堤防撤去」と「排水門の常時開放」に変更。
08年6月の判決は、潮受け堤防の閉め切りと、諫早湾内とその周辺の環境変化との因果関係を認め、湾周辺の原告50人の漁業被害を認定。3年の猶予を経て排水門を5年間常時開けるよう命じた。国側と、主張が認められなかった原告のうち51人が控訴。現在の原告は100人。
同事業は全長約7キロの潮受け堤防で湾の奥を閉め切り干拓農地(672ヘクタール)を造成、調整池(2600ヘクタール)を設けた。
総事業費約2533億円。 |