フェロシルト問題、東海三県の比較です。知事会見の抜粋はちょっと
長め。
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岐阜県は石原産業の提出した岐阜県内の撤去スケジュールを公表しました。
岐阜県・12月3日 ここには、撤去スケジュール表へのリンクもあります。
「県は、石原産業㈱から提出があったフェロシルト撤去基本計画書(以下「計画書」という。)を本日付で受理しましたので、お知らせします。
1 石原産業㈱が履行期限を遵守する内容に計画書を修正したことから、県はこれを受理
2 撤去スケジュール
別紙のとおり
3 県は、石原産業㈱に対し、履行期限内の措置の完了に向けて、厳しく監視指導を行っていきます。 」
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愛知県知事の定例記者会見・11月21日
【記者】 今日、愛知県はフェロシルト撤去の措置命令を出したが、石原産業はこれまでも、自主撤去すると県へ報告してきた中で、あえて今日措置命令を出したという県の考えは。
【知事】 あえて出したというよりも、関係の諸事情からいって、産業廃棄物であるという考えのもとに、今回のことを対応しております。したがって、産業廃棄物ということになれば、当然、責任ある立場で撤去してもらわなければなりません。今まで愛知県内だけでも13カ所ぐらいになりますか、撤去済みのところもありますけれども、県民の皆様方の心配、不安というものも高まっておりますし、これだけ社会的な大きな問題にもなっておりますので、産業廃棄物である以上は、法に基づく措置命令としてきちんと対応を求めていくという考えで、今日、その撤去命令を出したということであります。
もちろん、撤去していただくのは相手方の会社でありますので、従来からも自主撤去という姿勢を示しておられましたが、より確実に、より適正に、それからよりスピードアップをしていただけるように御努力をいただく必要もありますから、私どもは今回の措置命令は必要なものと考えております。
【記者】 三重県、岐阜県が刑事告発をしているが、愛知県では刑事告発の予定があるか。
【知事】 告発という観点でありますけれども、刑事告発のための要件は、もちろん、きちんと我々もチェックし、積み上げて対応しなければならないことであります。
三重県さんが最初に告発された事案は、ちょっと私どもの事案とは若干違うところもございます。しかし、我々は、とにかく不安を解消し、安全を取り戻すためには撤去がまず第一だということ。もちろん、条件が整い、必要になれば、告発ということも当然頭に置いております。
なお、お聞きすると、岐阜県さんは手続をとったということでありますが、まだ正式に受理になってないとも聞いております。やはり事実関係をきちんと積み上げ、それから物事を正確に判断して対応することが必要かなと思いまして、これからよくよく協議していきたいと思っているところでございます。
それから、三重県さんが早い時期にああいう形で個別の事案についての刑事告発をされましたので、強制捜査が大分進んでいるようでございます。そういう中でいろいろ解明されてくるものもありましょうし、それから、三重県警の捜査の中で当然モノがこの東海各県に広がっておりますから、恐らく岐阜県警あるいは愛知県警とのいろいろなかかわりも出てくるんではないかと思いますね。そういうようなことも総合して頭に入れながら、告発について今後の対応を考えていきたいと思っております。
【記者】 県警と相談していくとのことだが、これは愛知県警を指すのか、三重県警を指すのか。
【知事】 行為違反の現場は愛知県内にたくさんあるわけですから、愛知県警さんと無関係ではあり得ないと思っております。地元の県警と無関係だとは思っていません。現場が先ほど申し上げたとおり13ヶ所もありますしね、いろんなかかわりはもちろん愛知県とあるわけですね。ただ、先ほど申し上げたとおり、捜査の手続上は、三重県警さんも岐阜県警さんもいろんな形で横の情報交換などが必要になってくるのではないかと思います。
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三重知事の定例記者会見・11月28日
(質)石原産業の方から三重県の方にフェロシルトの撤去計画の修正計画が出ているようなんですが、来年の8月末までに撤去するという当初の計画よりも1カ月前倒しになっているんですが、そのことについて評価というのはいかがでしょうか。
(答)実は、11月4日にフェロシルトの回収計画がいったん出されましたけれども、県で内容を精査したことを踏まえて11月25日に石原産業から回収・搬出スケジュール部分を修正した計画が出されてきたということでございます。それで県としては、一応、石原産業も早急に、とにかくやろうという姿勢は打ち出してきているところでございますけれども、県としては撤去処分にあたっては早急にやる、ぜひ、そういう意味ではその期間の短縮をさらに要請をしたいということを考えておりまして、そういう意味では撤去命令ではありませんけど、それに準ずるような形で通知を会社の方に出させていただこうと、こういうふうに考えております。
(質)この通知は法に基づかないもの、任意のもの、県が。
(答:環境森林部)はい、任意のものです。
通知は場所ごとに会社の方が約束されていますので、一番遅いのが18年8月末です。それが一番遅くて後は全部日が異なっておりますけれども、それを一つ一つ縮められるものは縮めていただくということを今後も指導していきたいと思います。
(質)つまり通知書の内容というのは、石原産業が出した計画を取りあえずは守れと、出した以上はそのとおりにやりなさいよと、ただ県としては今後も指導していきますよというような文面になるわけですね。
(答:環境森林部)はい、そういうことです。
(質)確認なんですが、この通知を出すことによって撤去命令を出すという選択はもうあり得なくて、この通知を出すことで石原産業に回収を促していくという方針ということでよろしいんでしょうか。
(答)例えば、岐阜県・愛知県はそれぞれ対応されましたが、ただ、私は三重県としては石原産業が撤去の意思を表明し、そして早期に撤去するということで、これは計画も検討し直して出してきているところでございます。当然これについては物理的・時間的に可能な最短の期間で取り除いてもらうということが必要でございます。それをきちっとやらしていくということが大事でありますから、表現の仕方、あるいは向こうに対する通知の仕方はいろいろあっても、県としては最大の効果が上がるように、最短期間になるように、安全に搬出されるように、そのことを強く要請していくということです。
(質)撤去命令という法に基づく命令はもう難しいと判断したということでいいですね。
(答)私どもこの問題が起こる以前から廃棄物行政について、産業廃棄物の法律の不十分な点を申し上げてきた、その点が実はこの撤去命令にかかる部分のところでございます。ただ、今、フェロシルトについても施工箇所でもボーリング調査が行われているんですが、これはもちろん石原産業がやっているんですが、概ね12月中にだいたい結果も出てくるということでありますから、そういう結果の状況如何によっては法律的にまさに撤去命令を出す前提条件、これを満たしてくるということもあり得ることだと、こういうふうに思っております。
(質)どんな状況のときに出せそうですか。
(答)生活環境保全上の恐れがあると、国が要請してきているのはそういう表現ですね。
(質)第2のフェロシルトを生まないためにリサイクル製品をどんな素材のものをリサイクルすればいいかということで、県の方から国の環境省の方に統一した基準を作ってほしいということを要望されているようなんですが、ただいろいろ国の話を聞いてみると、少し統一した基準を作るのに、あまり前向きじゃない面もちょっと感じられる
(答)やはり全体で1つのルール、そして1つの基準というものがしっかりあって、そういう中で行われていくべきものだと、こういうふうに思っております。したがって、基本的な基準については国が持つべきではないかと、こういうふうに思っておりますから、今後もそのことについては要請をしていきたいなと、こういうふうに思ってます。
(質)そのことはフェロシルトを例にとって分かりやすく言うと、やはり製品である以上、三重県で造っているものも、要するに他県に出回るという可能性もあるということも含めると、やはり広域的な取り組みが必要だというふうに解釈もできるんでしょうか。
(答)それもそうですし、それからリサイクルをやっていくといくことは、環境循環型社会の実現には非常に大事なことでありますね。したがって、リサイクルが極めて安全に良質な形で活用されるということ、これは望ましいことだと、こういうふうに思います。したがって、出てくる廃棄物を、あらゆる廃棄物についてリサイクル、あるいは再利用できるような形になるということ、これは非常に大事なことであろうと思いますが、しかし今回のこういったことがございましたから、そういう中で国として、今の状況の中でどれぐらいの基準で、どれぐらいの範囲でどういうふうにやっていくんだというような、ひとつの眺め回しを国として、統一した基準として示していくということがあるといいんではないかなと、こういうふうに思います。化学的な技術だとか、そういったものは日々より進んでいくというふうになると思いますから、それも時代時代によって変化もしていくんでありましょうけれど、国として今あるべき基準はどれぐらいかということは打ち出せるんではないかなと、こう思いますね。
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