風景写真は、天気次第でその印象が変わる。
晴天の日には雲が太陽にかかるのを待ったり(雲待ち)、曇天の日に雲の切れ間から太陽が顔を出すときを待ったり(晴れ待ち)。
もちろん、日の入り、日の出の後のマジック・アワーに向けて、ロケーション・ハンティングをしたり、ひたすら色相がソフトで暖かく、金色に輝いて見える瞬間をねらったり。
理想的な光を求める長時間待ちは避けられない。準備を万端整えて黄昏の訪れをじっと待ち、文字通り夜と追いかけっこをするようにして撮影する。その時間帯だけでしか見ることができない特別な風景。待つことも、作品つくりの一つ。
普段、仕事の手を少し休めて外を眺めてみると、そこにはマジックアワーの美しい世界が広がっている。
一回の撮影で、一枚のベスト・ショットが撮れればいい。