90歳で亡くなった母は、家族の旅行やら運動会やら、ことあるごとにお弁当にはのり巻きとおいなりさんだった。
甘辛く煮たかんぴょうとシイタケと、卵焼きにデンブ。そして太巻き。
酢がほとんど効いてないのが母の味だった。
だからといって、のり巻きが好きかといえばそうじゃない。スーパーの総菜コーナーに行けば、のり巻きよりもパック寿司に目が行ってしまったりする。
それでも考えてみれば、のり巻きってかなり手が込んでいる。そのぶん、パック寿司よりもフォトジェニック。下手をすると江戸前の高級寿司よりも手間がかかってるのかも・・・(高級寿司には縁がないから全然わかってないが)。
日本には美しいのり巻きがあるから、「花よりも団子」なんだろうな。
桜の花の下で、あるいは、山菜を採った小高い山頂で、日差しをたっぷり浴びながらゆったりとのり巻きを食べたいな。