くず湯 黒蜜しょうが＠熱海 CAFE KICHI

 

子供の頃、扁桃腺がはれて熱を出した時、母親がよくくず湯を作ってくれた。ほんのりと甘く、冷めにくく、体があったまる。病み上がりの定番だった。
秋の七草のひとつ裏見草とも呼ばれる葛は、昔からその根から風邪薬の葛根湯を作ったり、蔓を編んで行李にしたりと、日本人の生活に深いかかわりを持ってきた植物だ。
晩夏に山際の道を歩いていると、道端にまで垂れ下がった葛が、大きな葉の脇から花茎を突き出しているのを見かける。、群をなす小花は下の方から咲き始め、最初は淡紅色であるが、だんだん濃い紅になり、さらに紫へと変化してゆく。
秋風に翻る葉は裏が白くて目立ち、パラグライダーで風を読む時に役に立つ。

風邪気味でなくとも美味しい葛湯の黒みつしょうが。しょうがを入れない、黒みつだけの葛湯もある。とろりとした葛湯に、黒みつのやさしい甘さがよく合う。。

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