tetujin's blog

映画の「ネタバレの場合があります。健康のため、読み過ぎにご注意ください。」

通用しない日本の常識

2020-02-17 22:37:13 | プチ放浪 都会編

旅行好きの女性に連絡してみたが、「日本は新型コロナウィルスに騒ぎすぎじゃない?」とのこと。ほんとにそうだろうか。

2002年11月に中国広東省仏山市で発生したSARS。その後、香港、台湾などから感染した人の移動によって、世界中へ運ばれ拡大した。今回の新型コロナウィルスでは、台湾政府の動きは早く、台湾の人々の自衛意識も日本人のそれと比べてけた違いにも高い。

台湾政府は、中国人観光客の入境を2月6日から全面禁止。中国と結ぶ直行旅客機および客船の運航を大幅に制限。クルーズ船停泊も原則禁止に。
過去2週間以内に中国、香港、マカオへ渡航した外国人も入境禁止。SARSの教訓を生かした政府の動きの早さ、そしてTVメディアを使って手の洗い方を教えるなど国民への周知の徹底で、感染の拡大も最小限となっている。

レストランの入り口では、民間レベルで手のアルコール消毒が推奨されており、ホテルのクロークでは体温チェック。台中・台北の街の中はマスクをする人がほとんどで、してないのは日本人の観光客ぐらいのもの。。

台湾政府はマスクの輸出禁止措置をとり、国内で生産されるマスクを政府がすべて買い上げているという。現在は国民が買えるマスクの枚数を制限して、転売できないようにしており、転売には厳しい罰則を設けられているらしい。14日には台湾の厚生省にあたる衛生福利部が日本への渡航について、警戒レベルを「注意」に指定。
一方、日本の政府は中国への忖度重視。対策はすべて後手後手だ。

不要・不急の旅行・外出は、控えるべき。感染しない確率よりも、感染した場合の損失の大きさを考慮すべき。ぼくたちは自らの手で自分自身を守らなければならない状況にある。


グーバーミー

2020-02-16 20:39:01 | ランチde世界放浪

煮こんだ牛肉とスープ、小麦の麺からなる牛肉麺。
タイで知り合った台湾の若い女性が、数年前にぼくを夜市や食堂に案内してくれた。彼女が最初に連れて行ってくれたのが牛肉麺の店だった。 
豚肉の消費がダントツに多い台湾。牛肉は国内の生産量も少なく、輸入に頼っている特別な存在だ。

牛肉麺は欧米の旅行者や中国本土から訪れる旅行者にも人気がある。
中国人が牛肉麺を好むのは、中国の四川が起源だから。第二次世界大戦後、台湾各地に「眷村」と呼ばれる大勢の中国退役軍人(外省人)のコミュニティーができた。外省人家族はここのなかで暮らし、育った。そんな中で牛肉麺も生まれた。

外省人が中国本土から持ち込んだ調味料を使って、故郷の四川を思わせる「牛肉麺」を作り上げた。 
高雄岡山の眷村に源を発し、台湾各地に広く伝わった後に、台北で広まった。


100年ぶりの

2020-02-15 22:10:19 | プチ放浪 都会編

新型コロナウイルスのパンデミック。世界経済がコロナにおびえている。
中国人観光客の減少はもとより、中国国内の経済活動が抑制されることに加え製造業のサプライチェーンなどを通じて世界経済がシュリンクしつつある。
2003年に感染が広がったSARS(重症急性呼吸器症候群)の時より経済への打撃が大きくなるのは確実だ。

約100年前に大流行したスペイン風邪の致死率は2.5%と意外に低く、このため、スーパースプレッダー(一人で感染を広げる人)が出現。より多くの人が感染した。

台湾の弾丸旅行で経験したこと。
まず、街中ではほとんどの人々がマスクをしている。日本と比べ、その比率は明らかだ。日本は満員の通勤電車などで半数には程遠いが、台湾では90%を超える。マスクを着けていないのは、明らかに外国(日本人)旅行者と思える人ばかり。

マスクをすることが地元に人たちに不快感を与えるのではと心配していたが、逆にマスクをしないことの方が地元の人々に不安を与えるもよう。自分は大丈夫のアッピールよりも、他の人々に気を遣うことが重要だ。要は不要不急の外出は控えることだ。これが日本人には到底できない。

人が集まる各要所においては、体温測定がなされていた。ホテルのクローク然り。すべての旅行者を管理することは難しかろうが、やらない日本よりはマシだ。
専門家の間では楽観論と悲観論が交錯しているが、“世界恐慌”という大きなリスクを抱えているのは間違いない。


台湾の写真作法

2020-02-14 22:57:23 | 自然遺産



ぼくが会った台湾の人々は総じて写真を撮られることや、写真撮影自体におおむね寛容のようだ。また写真に撮られる時のポーズの撮り方もうまい。レンズを向けるとニコッ! と笑顔を見せてくれる。
きっと、日ごろのセルフィ―のなせる業と、それからSNSやインスタでの自己研鑽によるものなのだろう。台湾の人々がセルフィ―で何度も試し撮りをするのは当たり前。

加えて台湾の人々は、旅行者の写真撮影にもとても協力的だ。人通りが多い観光名所でも、カメラを構えた人の前を横切らないように、撮影が終わるまで通行を待ってくれる人がとても多い。
きっと写真好きな人々が多いんだね。

台湾のカメラマンたちとの接点は、主に平渓(ピンシー)のスカイランタン。
会場には早々とManfrottoの三脚がズラリと並ぶ。いわゆる場所取り。だが、日本のそれとは趣旨がまるで異なり、三脚は「私はここで写真を撮るので一緒に撮りましょう」的な意味合いだ。
だから、高級な三脚を気にすることもなく放置して、祭が始まるまでどこかで時間をつぶしている。

どこかに行っている間に、かなり接近して三脚を立てられても問題視しない。自分の撮影に邪魔にならなければ基本的にウエルカム。日本の排他的なカメラマンたちとは大きく異なる。

でも、なんでスカイランタンの撮影に三脚を使うのか。台湾のカメラマンたちの愛機は、キャノンとかSONYの最新のカメラボディに長めの望遠ズームレンズをつけている。広角派は少な目。
なので望遠レンズゆえに、手振れを防ぐため三脚が必要なのだろう。例えばこんな感じ?
https://cdn.myreco.asia/img/uploads/images/news/587c78aee97ce.jpg
望遠ゆえのボケを活かせればきっといい写真が撮れるんだろう。ハードルがかなり高そうだが、いつかそんな写真を撮ってみたい。

ぼくのすぐ隣で撮ってた台湾の若い娘。彼女はスマホ派。思いもよらない広角の画角で動画を撮ってる。撮った動画を見せてくれたが、最近のスマホ動画はすごくきれいだ。ほめてあげたらインスタグラムのIDを交換しましょうという話になったのだが、残念ながらインスタグラムには力をいれていないんだ。
・・・こうして、「袖振り合うも他生の縁」を楽しむ。台湾で写真を撮る楽しみの一つだ。


通用しない日本の常識

2020-02-13 23:02:19 | プチ放浪 都会編

平渓(ピンシー)のスカイランタン。熱気球の原理を用いた天燈(ランタン)を飛ばし、先祖へ平穏無事を告げご加護を祈ることから始まった台湾の伝統行事。多くの人々が願いを込めて天燈を夜空に放つ。その歴史は古く、古代中国の三国時代、蜀の智将、諸葛孔明が敵方に星と見間違えさせるために夜空に放ったのが起源とされている。

ランタン飛ばしは18時から3時間にわたって開催。いい写真をと思えば、昼頃から地元台湾のカメラマンたちに混じってベストなカメラポジションでスタンバイする必要がある。

その会場に日本語の怒声が響き渡った。
「あっちへ行ってよ。2時間も前から待っているのに。ちょっと!!!私の靴に座らないでよ(;'∀')」
日本のおばちゃんが、台湾のおばちゃんにクレームをつけている。それも日本語で。・・・大したものだ。
一方、台湾のおばちゃんも激高。
「シャラップ!!!!!起来 喂你在说什么去某处」
中国語と英語で反撃。

日本じゃない外国の地で大声でいちゃもんをつける「大阪?のおばちゃん」の勇気には感心したが、中国系の人に対して大声でバトルを挑むのはちょっと無謀かなと思う。
この騒ぎに会場の警備員たちもやってきて、双方をなだめようとする。だがラチがあかない。しかもポリスの一人は、この騒ぎをカメラで録画している。やがて、女同士の口争いが男どもを交えた日台の言い争いに・・・

電車の席に荷物を置いて自分の領域を主張するのはやめましょうとの車内アナウンスもあり、千葉の山奥でもない限り日本ではあまり見かけなくなった。
それでも、例年、桜の木の下の場所取りは相変わらずだ。公共のスペースを他人とは絶対に共有しない・・・これが日本の常識なのかもしれない。

だが、これは世界では通用しない。余裕のスペースがあれば一人でも多くの人と共有する。これがグローバル・スタンダード。

第一、ランタン飛ばしが始まればみんな総立ちになり、座って観るどころの話じゃなくなる。現地に行ったら現地に従うしかない・・・と思うのだが。。