
てっちゃんは5年くらい前、友人一家が古い家を借りて住むことになった際
その家につくねてあった古道具の中から出てきたものだ。
中は赤サビが盛り上がるくらいくっついてて
もう捨てるばかりだったので、もらってきた。
鉄瓶のことをまったく知らないわたしは、サンドペーパーや金タワシで
内側をゴシゴシ。
さらにおとうちゃんがこびりついた赤サビを鉄釘でコンコン。
してるうちに、なんと穴が開いてしまった!
ああ~すまない。
しかしそれから数年後、ふと水を入れてみるとなぜか穴がふさがっている。
どうやらサビがまた盛り返し、その穴をふさいだようだ。
すごいね、てっちゃん、生きてます。

鉄瓶はお湯が沸いてるときの音が、やかんとぜんぜんちがう。
なんというか、しずかに沸くのだ。
やかんは大きい気泡がぶくぶく、鉄瓶は小さい気泡がぷちぷちぷち。
家の外も中もなんの音もしない夜
池に静かに降るこまかい雨の音をたてる、てっちゃん。