1991年の有馬記念で、あっと驚く差し脚で大穴を開けたあのダイユウサクが永遠の眠りについた。宮里優作が感動的な勝利を挙げた一方で、馬のユウサクがひっそりと息を引き取ったのは単なる偶然なのか。
その年の競馬界の主役は、春の天皇賞を勝ち、秋の天皇賞で春秋制覇を狙うも、トップでゴールしながら斜行失格となった武豊騎乗のメジロマックイーンだった。有馬には、同じメジロの僚馬ライアン、繰り上げ天皇賞馬プレクラスニーら、人気馬が顔を揃え、ダイユウサクなどは穴馬にすら名前があがらない無印のお客さんだった。
ところが、4コーナーを回り最後の坂でメジロマックイーンら人気馬が先頭をうかがうところを内からするすると脚を伸ばし、差し切ってしまったのだからファンはあっと驚いた。してやったりの鞍乗熊沢のガッツポーズをなんとも言えないどよめきが包み込んだ。当時、その年の金杯を同馬で制したとはいえ、まだまだ無名の熊沢は、この勝利をきっかけに、その後の重賞路線で活躍するジョッキーに成長した。忘れられない馬がまた一頭、世を去った。
今年も残りあとわずか、もうすぐ有馬記念である。オルフェの引退レースにあっといわせる穴馬が出現するのか、そんな思いを抱かせる穴馬の旅立ちである。
合掌
その年の競馬界の主役は、春の天皇賞を勝ち、秋の天皇賞で春秋制覇を狙うも、トップでゴールしながら斜行失格となった武豊騎乗のメジロマックイーンだった。有馬には、同じメジロの僚馬ライアン、繰り上げ天皇賞馬プレクラスニーら、人気馬が顔を揃え、ダイユウサクなどは穴馬にすら名前があがらない無印のお客さんだった。
ところが、4コーナーを回り最後の坂でメジロマックイーンら人気馬が先頭をうかがうところを内からするすると脚を伸ばし、差し切ってしまったのだからファンはあっと驚いた。してやったりの鞍乗熊沢のガッツポーズをなんとも言えないどよめきが包み込んだ。当時、その年の金杯を同馬で制したとはいえ、まだまだ無名の熊沢は、この勝利をきっかけに、その後の重賞路線で活躍するジョッキーに成長した。忘れられない馬がまた一頭、世を去った。
今年も残りあとわずか、もうすぐ有馬記念である。オルフェの引退レースにあっといわせる穴馬が出現するのか、そんな思いを抱かせる穴馬の旅立ちである。
合掌