tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

円レートと日本経済の行方

2018年04月10日 13時03分10秒 | 経済
円レートと日本経済の行方
 国会の様相のひどいものです。こんな混乱がなぜ起きたのか、殆どの国民はマスコミを通じてしか判断できませんが、証拠がないと開き直る政府に対して、政府内部から、無いはずのいろいろな資料がぽろぽろと出てきます。

 国民は、そうしたものを「状況証拠」として判断することになるのですが、その結果が安倍内閣支持率という事でしょうか。
 安倍さんが頼るトランプさんも、「アメリカのお蔭で笑っていられるのはもう終りだ」などと発言し、どこまで頼りになるか解らない状態で、国民の不安は高まっています。

 中間選挙を控えて、トランプさんは、どこの国より「アメリカ・ファースト」になるのは当然でしょう。貿易政策と為替政策で、アメリカの経済を好調に維持し、株価が高水準を続けることは必要条件でしょうか。

 「ドルは強すぎる」という発言を、「中長期的には強いドルが望ましい」と言い換えたアメリカですが、円レートの動きで見れば、ドル安円高に(それとなく)固執しているように見えます。

 為替レートを完璧に操作するとはアメリカでも不可能でしょうが、「ドルは高すぎる」発言のあった2月以降、円は105~106円台で、107円にはなかなか到達しませんでした。

 ところが、今日もそうですが、このところ107円台にちょっと入ってみるような動きが時にあります。円安になると、日経平均は、ここぞとばかり上げて見せています。

 こうした動きがいかなる理由によるものか、国際投機資本に聞いてみなと解りませんが、端から見れば、新年度の日本経済が、昨年の好調を維持できるかどうかは、当面の動きで見れば、円レートが107円を超えていけるかどうかにかなり関わるような印象ではないでしょうか。
 
 日銀が異次元金融緩和を続けるというのも、当然為替レートを(重要な要素として)意識しているような気もしますが、時々107円を抜けてみる程度が続くのか、米中をはじめとした、国際経済関係の中で、より大きな変化があるのか。為替に敏感な日本経済です。

 かつての$1=¥80といった水準になることはさしあたってないでしょうが、賃金や物価では1%、2%の動きを真剣に論じる経済専門家やマスコミです。よく考えれば、為替レートの1%、2%の変化は、それと同レベルの日本経済の状態の変化に相当するものでしょう。

 為替レートは刻々変化するものですが、それをトレースしながら、中長期のトレンドを見るという意味で、この所の円レートの動きにはやはり注目の必要があるようです。