tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

中国は本当に変わるのか

2018年04月11日 11時00分37秒 | 国際関係
中国は本当に変わるのか
 トランプ大統領のアメリカが「アメリカ・ファースト」で自国の都合最優先、覇権国のメンツを捨てて、内向きの利害を強調して世界中を困惑させています。

 その中で、世界中が当面の問題はアメリカが中国に仕掛けた貿易戦争に対して中国が如何なる態度をとるかでしたが、当初、対米強硬路線で張り合うかと見えた中国が、突如柔軟な対応を打ち出し、嘗てのアメリカのように国際的に自由で開放された経済が望ましく、孤立主義は行き詰まるとの考え方を表明しました。

 海南島で行われているボアオ・アジアフォーラムで、昨日行われた習近平国家主席の演説ですが、アメリカの仕掛ける貿易戦争に対して、「自動車の関税を大幅に引き下げ、他の輸入関税も引き下げる」と述べ、そのほか自動車や航空機などの主要産業での外資の出資比率も引き上げ、金融セクターの開放措置も一層進め、知的財産権についても、保護を徹底していくといった内容とのことです。

 アメリカの暴投気味の剛速球を柔軟にしっかり受け止めたという感じですが、これではどちらが超大国の度量を持った態度なのかとビックリです。

 アメリカという世界トップの先進国に対し、中国は人口こそ多いですが、まだまだ一人当たり国民所得などではずっと遅れた発展途上国というのが客観的な現状ですが、これではどう見ても中国の方が「大人の風格」です。

 プーチンのロシアが、何とかしてアメリカ、ヨーロッパと対等にと焦る中で、中国は悠然として、大国の趣を持ち始め、自国だけではなく世界のために良い方向を追求しよう事なのでしょうか。

 中国は何時からそんな立派な国になったのでしょうかという疑問も、何となく禁じ得ませんが、国家的品位のレベルを下げたアメリカに対して、それを意識した行動なのか、それとも、習近平国家主席の権限確立による余裕なのか、解らない事ばかりです。

 こうした疑問は今後の中国の行動において次第に解って来るのでしょうが、日本の外交力でその辺りの疑問が解けるようであれば、素晴らしいことだと思います。

 一方で南沙諸島に見るように、領土的野心では、今回の政策とは駆け離れた行動をしている中国です。
 隣の超大国中国、有史以来長きにわたって文化的には日本の師でもあった中国、いろいろな意味で、日本としては最も関心を払わなければならない問題のようです。