tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

アメリカ・パッシングの様相

2018年06月29日 10時34分49秒 | 国際関係
アメリカ・パッシングの様相
 トランプさんの登場で、世界情勢はますます解らなくなってきました。
 トランプさんはもともとビジネスマンですが、お仕事の中心は不動産という事ですから、モノづくりの世界については十分に解っていなかったのでしょうか。
 ハーレイダビッドソンが、欧州の報復関税を恐れて工場を海外に移そうと考えたことに対して、「我慢しろ」といったようです。

 不動産の仕事は、基本的には、安く買って高く売るというキャピタルゲインの世界が重要のようですから、交渉・ディールには自信があるのでしょうか。
 マスコミも書いていますように、北朝鮮との交渉も、まさにディールの様相です。

 そういう背景かどうかわかりませんが、中国との貿易問題もまさにディールの様相を感じさせる高圧と妥協・譲歩の組み合わせのような展開が見られます。
 マスコミでは、今朝がた多少円安に動いたのは米中貿易問題が多少鎮静化するとみられるからなどという解説が見られたりします。

 そのトランプさんが、今度はロシアのプーチンさんとトップ会談をするという事です。
 トランプさんとロシアとは選挙の時からいろいろ噂はありますが、どんなディールが行われるのでしょうか。
 ベルリンの壁崩壊以来などと言われる険悪な東西対立の中ですが、トランプさんのビジネス流のディールがどんな結果をもたらすのか、世界の注目を集めます。

 一方、経済の方ではTPPもアメリカが外れ、RCEPでは、もともとアメリカは入っていません。中國・インドが力を入れることになるのでしょうか、AIIB、一帯一路なども、アメリカは外側です。

 南シナ海については、中国は領土は譲れないと強硬で、アメリカは航行の自由作戦で対抗しています。これも今後のディールに注目でしょうか。

 総じて、経済問題ではアメリカは内に籠り、政治問題では、世界中でディールに邁進するといった所でしょう。
 ご自分を天才といったトランプさんの頭の中はわれわれ凡人には全く解りませんが、経済面では、何かアメリカ・パッシング、アメリカ枠外、といった状況が生まれつつあります。

 世界一の経済大国ですから「パッシング」というわけには、なかなかいかないでしょうが、「パッシング」の様相が深まれば、ひいてはアメリカの経済力の低下につながるでしょう。その影響は徐々に政治力にも影響することになるでしょう。
 中間選挙までといった短期の問題ではありませんが、矢張り重要な注目点のような気がします。