tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

ますます開く日米金利差、為替は?

2018年06月15日 10時17分51秒 | 経済
ますます開く日米金利差、為替は?
 アメリカではFRB(アメリカ中央銀行)が今年に入って2度目の政策金利の引き上げを決定しました。
FF金利の誘導目標は0.25%高めて、1.75%から2.00%のレンジに設定という事になりました。

 さらに、FRBは、雇用の堅調などを背景に、今年中にあと2回の引き上げで、年4回の引き上げを予測するとしています。
更に、来年末には3.1%を予測するという事のようです。

 いずれにしても、基軸通貨国がこうした長期の予測を示してくれるという事は、大変結構なことだと思います。
 一方ではアメリカの金利上昇が、世界中に流出していたマネーのアメリカへの還流を引き起こすという問題が指摘されていますが、それぞれの国の事情はあるにしても、矢張り、基軸通貨国の金融の正常化は本来の取るべき道のように思われます。

 翻って、日本はどうでしょうか。日銀は、相変わらずゼロ・マイナス金利の異次元金融緩和を変えず、長期化する国内の金融の機能不全は、金融機能、金融機関を疲弊させ、一部の金融機関ですが、何かと問題を起こし、国民は、銀行預金に金利が付かないことを嘆きつつ諦めムードになっています。

 日銀は、これからの望ましい金融政策について、国民に解るような政策を示しません。こんな状態がいつまで続くのか国民には皆目わかりません。
 その間、アメリカとの金利差は開くばかりです。

 これだけ金利差が開けば、大幅に円安・ドル高になると考えるのが通常ですが、円レートは2015-16年の$1=120に戻るような気配は全くありません。
 この所のドル・円関係は、どうも金利差で動いているとは思われません。円安維持のために異次元緩和を続けているとすれば、それはもう時代遅れなのかもしれません。

 もちろんアメリカは基軸通貨国であり、世界金融市場の最メジャー・プレイヤーですから、金利を引き上げても、ドル高にならないような政策も可能なのかもしれません。
 しかし日本は日本で、正常な経済活動、正常な金融機能を維持するために、 本来あるべき政策を取り、適正は為替レートの実現に、日本なりに努力するべきでしょう。

 アメリカが積極的に金利引き上げを進めようと考えている今が、行き詰まった異次元金融緩和政策を見直すチャンスなのではないでしょうか。
 チャンスの女神には「前髪しかない」という諺もあるようです。