tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

党首討論の歴史的使命とは?

2018年06月28日 10時30分13秒 | 政治
党首討論の歴史的使命とは?
 古い「なぞなぞ」ですが、「ナポレオンが赤いズボン吊りをしていました。何故でしょう?」
 答え「ズボンが落ちると困るから」 はぐらかしの典型です。

 こんなことを書いたのも、党首討論のニュースを見たからです。
 今回の党首討論で安倍総理は、枝野さんの質問に答えた最後に「まさに今のやり取りを聞いていて、本当に(党首会談の)歴史的な使命は終わってしまったなあ、このように思った次第であります」と発言していました。

 解説によれば、前回の党首討論の際、枝野さんが「意味のないことをだらだらとしゃべる総理を相手に、今の党首討論という制度の歴史的意味は終えたことが今日の討論を通じてはっきりした」安倍さんの発言を皮肉ったことに対する回答だとのことです。

 野党の質問の詰めの甘さ、言いっ放し方式にも原因があるのかもそれませんが、冒頭の「なぞなぞ」ではありませんが、安倍さんのすれ違い、はぐらかし答弁は有名で、私も聞くたびに何でもっと議論が深まらないのだろう、などと思う事が多いのですが、今回も公文書改竄について「私が書き換えたわけではありません」などという言葉が聞こえました。

 党首討論で、国民の事はそっちのけで、前回相手のいったことを覚えていて、相手の言ったことに言い返すのが最後の決め手みたいなことでは、まさに党首討論の意味は激減でしょう。

 ところでよく考えてみますと、党首討論に登場する役者は、各党の党首です。そして、野党党首からの発言に答えるのは、最大与党の党首、安倍さんです。
 その党首討論が、歴史的役割を立派に果たし、国民が日本の国政の在り方について真剣に聞き、理解するようなものになるかどうかは、役者である党首たち、とくに「主役」、与党第一党の党首の態度や発言いかんでしょう。

 という事は、この「歴史的使命は終わった」という発言には、党首討論という舞台と党首たちの役割についての決定的な自己否定だという事ではないでしょうか。
 民主主義社会では、党首討論は何時の時代でも必要なのです。それを国民があまり本気で聞かないというのは、役者たち、とくに主役の発言に意義を感じないからでしょう。

 演劇なら娯楽ですが、党首討論は国民の生活に直結する重要な舞台です。そこに出てくる「主役」が国民の期待はそっちのけで、「もうこんな舞台は歴史的使命は終わった」などと自分の役割の重要さも忘れて勝手に発言してしまっていいのでしょうか。
 役者たち、とくに「主役」の責任は何処へ行ったのでしょうか。