tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

日本は黒字国、強みを生かす政策を

2018年06月24日 11時08分02秒 | 政治
日本は黒字国、強みを生かす政策を
 EUのお荷物と言われていたギリシャですが、いよいよこの8月にEUの支援が終わり、何とか独り立ちになるようです。

 このブログでも ギリシャの問題はその都度取り上げてきましたが、経常赤字を垂れ流した挙句、緊縮政策導入とEUの支援で支えられ(まだ心配する筋はありますが)やっと自立という所に来たのです。

 「 アメリカ・ギリシャと日本の違い」でも書きましたが、ギリシャは(アメリカも)稼ぎよりも余計に遣う赤字国、日本は稼ぎを使い残して貯金する黒字国です。

 家計でも赤字の家庭と黒字の家庭では経済基盤は全く違いますが、国でも同じです。ギリシャが健全になるのには、政府も国民も支出を減らして経済の規模を自分の稼ぎの範囲まで小さくし、健全な経済にしなければなりません。

 日本の場合は、日本経済は万年黒字で、対外債権も個人貯蓄も巨大ですが、政府が税金を上げるのを嫌って、国民からの借金で財政を賄ってきたので、国は黒字なのに政府は大赤字で借金まみれ、というのが実態です。

 何故そんなことになったかと言えば、政府が将来不安を煽るので、国民は金を使わず貯金を増やす、それでは経済が成長しない、政府は経済を成長させようと国民から借金(国債発行)してカネを使う、しかし、使い方が下手で(無駄遣いも多く)経済は成長しない。
税収は増えないから、政府はまた国民から借金する。借金しやすいようにゼロ金利を続ける、財政も金融も動きが取れなくなる、という構図です。

 然し頭を切り替えれば、もともとは政府が将来不安を煽って国民が稼いだカネを使わないで貯金するのが原因ですから、国民が将来を安心してカネを使えば経済は回り始めるという事なのです。
 ギリシャのように、消費を抑えて生活を切り詰めろというのとは「正反対」の状況なのです。

 しかしここまでこじれてしまいますと、前回も書きましたように、行きがかりや絡み合いをほぐすのは容易ではありません。しかし基本は上記の通りで、ギリシャなら家計は緊縮、日本なら家計の消費拡大(お金使ってください)と対策は正反対なのです。
 これが「赤字国」と「黒字国」の違いなのです。

問題は、政府に、国民に対する「将来不安の解消」の政策(これは経済政策というより、社会政策、国民を安心させる意識改革政策でしょう)があるのか、そして、それが出来る能力と国民の信頼があるか否かという所でしょう。
そういう政権が出て来てほしいですね。