「ひきこもり」とは何か:「人間が好き」な人は多分ならない
最近何かTVニュースを繰り返してみるのが辛い恐ろしい事件が多いような気がします。
1年ほど前 「『誰でもよかった』という殺人を生む社会とは」を書きましたが、ずっと気になっている「社会が病んでいるのではないか」という気持ちはますます強くなっています。
こうした事件が起きると「ひきこもり」との関連が指摘され、「ひきこもり」が危険な犯罪に通じるような短絡的誤解があったり、それは違うという反論があったりといった混乱した状態もあるようです。
もちろん「ひきこもり」の中身は多様で、犯罪などにつながらないものの方が圧倒的に多いのでしょう。
しかし、「ひきこもり」が多くなっているということが現実(注)であるならば、これは社会が何か病気に罹っているといえるのではないでしょうか。
(注:これに関連する統計は、内閣府「子ども・若者白書:平成27年版」の「ひきこもり」推計69.6万人(15~39歳)ぐらいしか見当たりません。時系列の調査はないようですし、問題の8050問題の年齢まではカバーされていません。)
しかし、わたくし共の認識から類推すれば、企業の中でメンタルヘルス問題が増加しているように、広く社会全体の中でも、かなりの高齢者まで、社会に不適応といった状態の人は増えているような感じは持ちます。
これはいわゆる「就職氷河期」現象で、社会人への入口で躓いた多くの人が出たこと、長期不況の中で、企業の人事管理がかつてのように安定的な物でなくなったことなども大きな要因だと思われます。
個人的には、30年近く続いた不況という経済状態、その中で格差拡大を放置した歴代政府の社会・経済政策にも大きな責任があるように感じます。
ところで、企業での メンタルヘルス問題の際も、多くの対策は、いかにしてそこから抜け出すか、仕事復帰へのカウンセリングの在り方はといったものでしたが、このブログでは「うつ」予防に重点を置くべきで、朝起きて「会社に行きたくない」といった状況にならない人事管理をと主張してきました。
そして今、「ひきこもり」につても、原点は「人間を嫌いになる心理状態」にあると考え、家庭から学校、社会教育(企業の教育訓練、人事管理を含む)まで、「人間を嫌いにならない」という最も基本的なことを徹底したものであるべきだと考えています。
親を嫌いになる、友達を嫌いになる、上役や同僚を嫌いになる、そして「人間なんかみんな嫌いだ」と思い始める・・・、そんな意識の発生や進行を徹底して無くしていくための、社会を構成する総ての人たちの日常の努力こそが、「人間嫌い」を出さない方法ではないでしょうか。
「人間嫌い」にならなければ、社会は楽しく、心豊かなものになるはずですし、「ひきこもり」は死語になるでしょう。さらに、人を憎まなければ、多分、凶悪な犯罪は起きないでしょう。
政府はそのための制度設計を(例えば格差社会化の阻止)、教育の場は、人間を好きになることを徹底して教えるものであってほしいと思います。
人間は本来人間が好きな生き物(社会的動物)でしょう。その人間を、何が「人間嫌い」にしてしまっているのか、ここが最大の問題だと思っています。
最近何かTVニュースを繰り返してみるのが辛い恐ろしい事件が多いような気がします。
1年ほど前 「『誰でもよかった』という殺人を生む社会とは」を書きましたが、ずっと気になっている「社会が病んでいるのではないか」という気持ちはますます強くなっています。
こうした事件が起きると「ひきこもり」との関連が指摘され、「ひきこもり」が危険な犯罪に通じるような短絡的誤解があったり、それは違うという反論があったりといった混乱した状態もあるようです。
もちろん「ひきこもり」の中身は多様で、犯罪などにつながらないものの方が圧倒的に多いのでしょう。
しかし、「ひきこもり」が多くなっているということが現実(注)であるならば、これは社会が何か病気に罹っているといえるのではないでしょうか。
(注:これに関連する統計は、内閣府「子ども・若者白書:平成27年版」の「ひきこもり」推計69.6万人(15~39歳)ぐらいしか見当たりません。時系列の調査はないようですし、問題の8050問題の年齢まではカバーされていません。)
しかし、わたくし共の認識から類推すれば、企業の中でメンタルヘルス問題が増加しているように、広く社会全体の中でも、かなりの高齢者まで、社会に不適応といった状態の人は増えているような感じは持ちます。
これはいわゆる「就職氷河期」現象で、社会人への入口で躓いた多くの人が出たこと、長期不況の中で、企業の人事管理がかつてのように安定的な物でなくなったことなども大きな要因だと思われます。
個人的には、30年近く続いた不況という経済状態、その中で格差拡大を放置した歴代政府の社会・経済政策にも大きな責任があるように感じます。
ところで、企業での メンタルヘルス問題の際も、多くの対策は、いかにしてそこから抜け出すか、仕事復帰へのカウンセリングの在り方はといったものでしたが、このブログでは「うつ」予防に重点を置くべきで、朝起きて「会社に行きたくない」といった状況にならない人事管理をと主張してきました。
そして今、「ひきこもり」につても、原点は「人間を嫌いになる心理状態」にあると考え、家庭から学校、社会教育(企業の教育訓練、人事管理を含む)まで、「人間を嫌いにならない」という最も基本的なことを徹底したものであるべきだと考えています。
親を嫌いになる、友達を嫌いになる、上役や同僚を嫌いになる、そして「人間なんかみんな嫌いだ」と思い始める・・・、そんな意識の発生や進行を徹底して無くしていくための、社会を構成する総ての人たちの日常の努力こそが、「人間嫌い」を出さない方法ではないでしょうか。
「人間嫌い」にならなければ、社会は楽しく、心豊かなものになるはずですし、「ひきこもり」は死語になるでしょう。さらに、人を憎まなければ、多分、凶悪な犯罪は起きないでしょう。
政府はそのための制度設計を(例えば格差社会化の阻止)、教育の場は、人間を好きになることを徹底して教えるものであってほしいと思います。
人間は本来人間が好きな生き物(社会的動物)でしょう。その人間を、何が「人間嫌い」にしてしまっているのか、ここが最大の問題だと思っています。