tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

日米関係:ロン・ヤス、ドナルド・シンゾー、ジョー・ヨシ?

2020年11月14日 17時09分11秒 | 国際政治

アメリカは何を考えているのか
 トランプさんの法廷闘争は続いていますが、大勢は決まったのでしょう、バイデンさんはアメリカの分断の修復と経済社会の新しい発展に向けての動きを積極化するようです。

 トランプさんがゴチャゴチャにしたアメリカの内外の問題を早期にまともな軌道に乗せるのは大変でしょう。しかし、アメリカの為は勿論、世界の為にも、そしてわが日本の為にも大いに頑張って頂きたいと思う所です。

 ところで、共和党から民主党、トランプさんからバイデンさんになって、日米関係はホッと一息という意見もありますが、「アメリカの対日政策は、基本的には変わらないのだ」という厳しい見方もあるようです。

 そんなわけで、今迄の日米関係、特にアメリカ大統領と日本の首相が大変仲が良かったといわれる2つの時期をとって、そのとき何があったかを見てみたいと思います。

 先ず出て来るのはロン・ヤスと言われたレーガン大統領と中曽根首相の時に何が起きたかです。
 お互いに別荘や山荘に招き合い、仲の良さを見せられた記憶はありますが、戦後の日米関係の中で日本に最も過酷な影響を与えた「プラザ合意」は1985年まさにロン・ヤスの真只中での出来事です。
 
 プラザ合意はG5(当時はアメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、日本の5か国の蔵相会議)で、この時はニューヨークのプラザホテルで行われました。
日本からの出席は竹下大蔵大臣、アメリカはベーカー財務長官で、直接「ロン・ヤス」ではないのですが、もちろん国を代表しての会議です。

 この席で、欧米経済の不調をしり目に、世界第2位の経済規模と安定成長の持続を誇り、当時絶好調だった日本経済を、30年にわたる長期不況に陥れることになった「円高容認」が合意されたのです。

 トランプさんと安倍総理の仲の良さもテレビ随分拝見しました。トランプさんもシンゾーは親友だと言っているようですが、お二人のやり取りの中では、トランプさんのかなりの問題発言もあります。例えば、真珠湾は忘れないとか、日米安保条約に疑問を呈するといった言葉もきかれました。ちょっとした脅しのようです。

 安倍さんの方は、広島・長崎は忘れないなどという言葉は絶対に出ませんから、好き勝手に言いたいことをいえたのでしょうし、本音は、戦闘機100機とか、イージス・アショアなどを買えとか、果てはカジノ3か所をアメリカの企業にといった希望(要求)との兼ね合い発言かも知れませんが、親友への発言としてはかなり棘があるような気もします。(何せ、アメリカは万年赤字国、日本は世界有数の黒字国ですから)

 トランプさんの方はまだあからさまに言うようですから、率直なような気もしますが、プラザ合意の方は、親密なはずの日本に仕掛けた、アメリカに追いついてくる2番手の経済大国に対する蹴落とし作戦だっとという理解も十分可能なようです。

 今、アメリカは、経済規模2位の中国に対して、対応に躍起ですが、こちらは二匹目のドジョウはいなかったようで、今後に持ち越されています。

 こんな状況を見ても、アメリカは、大統領がだれであれ、何党であっても、基本的に覇権国の地位を守ることに最大の関心を持っていると考えるのが当然でしょう。

 まあ、プラザ合意でこれだけ痛手を負った日本にしても、アメリカの作戦が上手だった、のに対して、日本の対応は著しく拙かったという判断も可能で、一概にアメリカを責められないとも思う所です。

 さて、今後のバイデンさんと菅さんの関係が「ジョー、ヨシ」と呼び合うような関係になるかどうかは解りませんが、優しい目をしたバイデンさんが、どんな人柄かはさておき、菅総理も、すべての日本国民も、「アメリカという国」に対して決して油断しないようにしなければと思う所です。