tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

政権内部の自浄作用に期待

2020年11月24日 20時27分28秒 | 政治
政権内部の自浄作用に期待
 このブログでもその都度取り上げてきていますが、安倍政権になってから、国会の混乱、強行採決の頻発、総理をはじめ、閣僚、官僚たちの国民が理解に苦しむような発言が多くなっていたことは、多くの人が感じていたようです。

 典型的な例として報道されていたのが、原発の汚染水についての安倍総理の「アンダー・コントロール」という発言でした。その他、財政再建ついての発言、カジノについての発言、そして、モリ・カケ・サクラについての多くの国会答弁などなど多くのものがありました。

 長い間種々の社会生活をし、世間の常識、その裏も表もわきまえているような人にとっても、多分あの発言は何かの間違いか、場合によっては全くの虚偽ではないのかと思われるようなものが数多いというのはやはり異常でしょう。
 
 当然国会での議論もその都度大混乱し、議場が騒然とする中で、強行採決で、多くの問題や疑問を残しながら「一件落着」という事になっていたという結末でした。

 多くの国民も、民主主義体制の下、選挙で絶対多数を得てやっていることで、投票した自分たちにも責任があることだし、一国の政治ともなれば、場合によっては表も裏もあるのかもしれないが、総理大臣以下みんな口をそろえて言うのだから、それなりの正当性もあるのかもしれないし・・・、という事でしょうか、必ずしも納得はしないが、半分諦めているといったところではなかったのではないでしょうか。

 しかし、森友問題では直接担当した事務官の自殺といった人命にかかわる事態が発生し、何かほころびが感じられる中で安倍総理が(一時?)退陣、国会で「答弁拒否の新記録」を作るような菅総理が誕生するという事で、矢張り今の政権は何かおかしい、国民に隠している事が多々あるのではないか、と思わせるさ中、桜を見る会で安倍前総理が「ない」と言っていたホテルの領収証が「ある」という報道がされるということになりました。

 出所も安倍前総理の極めて身近なところだと言います。この報道を聞いて微妙に感じるのは、何か状況に変化の兆しがあるのではないかという感覚です。何か変化が起きたとすれば、無理して発言を正当なものにする強固な体制のあちこちに綻びが出てきたのではないかといった見方です。

 政権と官僚が一体化して固めてきた堰き止めの堤防の一角に蟻の一穴か二穴か知りませんが、水漏れが起きたのでしょうか。
 大事なことはそれが、「しまった」という失敗によるものか、「国民のために仕事をすべき」という本来に立ち返った政権内部の自浄作用によるものかという点でしょう。

 考えてみれば、国会で納得のいかないことが罷り通るようになってから、広島の選挙とか、中国とのカジノの関係の汚職などのニュースで、状況証拠は歴然の中で、しらを切り通すような政治家が急に目立つようになりました。しらを切り通せば逃げ切れると思ったのでしょうか。そんなことでは日本はまともな国とは言えなくなるでしょう。

 マスコミ報道だけの情報源で判断している我々には、真実がいずこにあるかは知る由もありません。真実を知っているのは政権内部の直接の関係者だけでしょう。
 しかし、いずれにしても、国民の多くが納得できない政治の状況がここ7年数か月急激に増えたことは事実です。

 マスコミの報道でも、国会論議でも真実は明らかにされず、究極的には司法の判断でしか政治が動かないといったおかしな国に日本がならないためにも、権力の内部構造の中から、当然の自浄作用が出てくるような日本に早く戻って欲しいと思うところです。
何せ、「潔さ」は日本文化の中枢をなすものだったはずですから。