tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

総務省官僚接待問題の何故?

2021年03月16日 14時41分24秒 | 政治
総務省官僚接待問題の何故? 
今日もTVをつけたら国会中継をやっていて議論の中身は総務省の高官の接待問題でした。

 NTTと東北新社の社長が参考人として出席していて国会議員の質問に答えていました。
 会社で一番忙しいはずの社長が、連日国会に呼び出されて、長時間拘束されなければならないとうのは、企業としては随分都合の悪い事でしょう。

 先日からのやり取りを聞いていましても、仕事に関わることなどは話に出ていないとか、頼んだり頼まれたりする事は全くないといったやり取りが続いているようです。

野党議員の質問の狙いは、そういう言葉の後ろには何か利害関係に絡むものがあるだろうとデータを集めて問い詰めることで、政府側や参考人の答弁はそういう意味で会食をしているわけではないといったものが一般的です。

政府の答弁の中には、記憶がないとか、記録がないといといった従来から何度も聞かれる言葉がまた出てきています。

いままでもそうしたやり取りの結果、本質がさらけ出されたといったことはなかったように記憶します。

ということで、これを事の本質に立ち戻って考えてみたらいかがでしょうか。
これは、かつて取り上げた「 ルール(規制)の持つ基本的な問題」なのです。ソポーツでも何でもそうですが、まず必要なのは「良いルール」なのです。そして行政(いわゆる官)は、そのルールがきちんと守られるためのレフェリー役を忠実に果たすことなのです。 レフェリーは絶対にプレーに参加してはいけません。携帯料金も政府がプレーヤーに入ってはいけないのです。

こうしたことがきちんと行われていれば、今の総務省のような問題は多分起きないでしょう。
今の総務省は、多分、通信や放送の企業の、大げさに言えば「生殺与奪の」を握っているのでしょう。そういう相手とは仲良くしておかなければいけません。別にお願いの件がなくても、時には共に一献傾けて良い人間関係維持のためのコミュニケーションをというのは当然です。

今、問題になっている携帯値下げの件やシムロックの件も、政府主導であることが実は奇妙なことなのではないでしょう。公正取引委員会の仕事にすべきではないでしょうか。

プロ野球や、プロサッカー、テニス、国技である相撲についてもルールは政府が決めないのです。それぞれの民間の組織や業界の専門組織がが、お客が最も楽しめるようなルールを諮問機関などの意見を聞いて決めています。ルールも政府でなく出来るだけマーケット(民意)で決めてもらうというのが成熟した民主主義社会の在り方なのでしょう。

一つ政府(官)が関わって失敗している件を、分野が少し違いますが、挙げておきましょう。
 かつて日本の労働委員会では、労使紛争の際に、出来るだけ当事者に押し戻し自主解決をするよう民間労使に仕向けました。その結果日本の民間の労使関係は改善進歩しました。しかし当時の3公社などの公営部門(国鉄、電電、専売)は公労委の斡旋に頼る癖がついて、自主解決の能力はつきませんでした。自主解決能力がついたのは民営化後です

今回の問題も、政府が、民間と十分に話し合い、許認可権を大幅に民間に委譲するという事で解決するというのが根本解決策ではないでしょうか。