tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

賢明な平和的解決を期待する米中関係

2021年03月26日 19時38分58秒 | 国際関係
賢明な平和的解決を期待する米中関係
 バイデン大統領の就任後初めての公式の記者会見での発言が報道されていますが、その率直な物言いは、我々日本人にとっては、些かショッキングなものです。

 習近平さんから、大統領就任を祝福する電話があり、2時間も話したそうですが、バイデンさんとしては対決(confrontation)するつもりはないが、厳しい競争になるだろうし,アメリカとしては、中国に国際ルールに則ることを徹底して言っていくという事のようです。

 バイデンさんは副大統領のころから、習近平さんとは誰よりも長い時間話をしているとのことですが、習近平さんの考え方については厳しい見方をしていることが強く感じられます。

 バイデンさんの言うには、習近平はプーチンと同じように専制主義をよしとする人であり、専制主義こそが将来へのうねりであり、専制主義でなければ、この複雑は世界を統治することは不可能と考えている人間だ、と明確に指摘となっています。
 彼の頭の中にはデモクラシーの「デ」の字もない、と言いきっています。

 我々日本人には、アメリカ流の交渉術というのは、なかなか理解できないのかもしれませんが、これからどんな形の(対決ではない)競争が行われていくのか、ドキドキ、ハラハラしながら見守っていくことになりそうな気がします。

 専制主義にはファッショのような右派も、ミャンマーのようなクーデターによる軍政も、共産党一党支配の左派もあるのですから、これからの問題理解は「民主主義対専制主義」「自由主義対独裁主義」といった形で定義されなければならないのでしょう。

 しかし、ロシアにしても中国にしても、一応ロシアには政党も対立候補もあり、中国の全人代も各地の代表が集まって賛否を決するのですから、形は民主主義を取っているといった見方も可能でしょう。

 専制主義、独裁主義は、その中で対立候補の行動を規制したり、シャンシャン総会になるよう権力を使って根回ししたりして特定のリーダーだけがリーダーになれるようにしているという事ではないでしょうか。

 ある意味では、トランプさんや安倍さんにも、異論を権力によって封じるといった行動はそれなりにあったわけで、専制主義、独裁主義は、リーダーの個人的な要素が大きく左右するというのが共通する点ではないでしょうか。

 そうして意味では、専制主義、独裁主義はどこかに暗い闇の面を持つ、何らかの犯罪によって支えられる面を持つという事がありうるのではないかと思われます。

 恐らく今後は、左右の思想的対立と考えられた東西対立ではなく,左派か右派かではなく、民主主義と専制(独裁)主義が対立する世界 という事になるのではないでしょうか。
 勿論人類社会にとって、正義はいずれにあるかは明らかでしょう。

 これからの21世紀の前半は米中の「競争」を主軸に、この難問題を人類社会がいかに解決していくかの歴史的実験が行われることになるのではないでしょうか。
 あまり激しい事にならないことを願うばかりです。