tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

梅と桜

2023年03月04日 14時32分08秒 | 文化社会
我家の遅咲きの豊後梅もようやく花を開き始めました。



梅一輪 一輪ずつの 暖かさ (嵐雪)
今日は土曜日で、暖かい良い日です。これで世界に戦争などなければとつくづく思います。

気象庁によれば今年は桜も早いようで、東京では3月中に満開を迎えるようです。梅から桜へ、日は伸び、コートもいらなくなり、一番良い季節なのではないでしょうか。

梅と桜、日本を代表する花ですが、その昔は、「花」と言えば梅だったと聞きます。桜は900年ごろ古今和歌集あたりからとの説が一般的のようです。

梅は、香りがよく、寒さの中でぽつぽつと花を開き「枝振り」と「花」との取り合わせが微妙な線と点のバランスを生むのでしょう。絵になるのが「梅」の美しさでしょうか。 

一方桜は、木全体を花がつつんでその重なる枝の、まさに「万朶の桜」が濃艶な量感のある景観を作り出す「ソメイヨシノ」を代表に、一斉にぱっと開き旬日の命で落花の舞となる潔い美しさが人の思いを深くするのでしょうか。

「桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿」などと言われますが、これもそれぞれの花をその美しさの特徴を確り捉えて観賞するための極意に繋がる諺でしょう。

梅と言えば、誰も思い浮かべるのは天神様、菅原道真公でしょう。これは学問の神様、今では受験のお守りの象徴的存在です。

桜は菊とともに日本の「国花」ですが、かつては「軍国思想の象徴」でした。
「咲いた花なら散るのは覚悟、見事散りませ国のため」などと歌われました。

花は無心に咲き、人間がそれを見て多様な感覚やイメージを作り上げるのです。かつて日本の軍部は「花は桜木、人は武士」などと言われた潔さのイメージを利用し国民の命を戦争の道具としました。
そうした印象も時間と共に薄れ、花の美しさだけが残るのも自然でしょう。

今また「新しい戦前」などと、戦争の影がちらつく日本ですが、「梅と桜」はともに日本人が美しいと思う花です。

この2つの花に何かイメージを持つとしたら、真のもの、良きものは美しいと考える「真善美」に叶うようなイメージであって欲しいと思うところです。

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